外壁塗装を検討していると「フッ素塗料」という言葉を耳にすることがあるでしょう。しかし、フッ素塗料は高耐久・高性能として知られる一方で、費用面ではやや高価な印象もあります。そのため、本当に選ぶべきなのか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フッ素塗料のメリット・デメリット、そしてどのようなケースにおすすめなのかを解説します。長い目で見て後悔のない塗装を選ぶために、ぜひ参考にしてください。
目次
フッ素塗料の特徴は?
フッ素塗料とは、主成分である合成樹脂にフッ素が含まれた外壁塗料のことです。主な特徴は以下のとおりです。
● 耐久性:フッ素塗料は外壁にしっかりと密着し、ウレタン系(約5~8年)、シリコン系(約8〜12年) と比較しても15〜20年 と非常に長い耐用年数を誇ります。
● 耐熱性・耐紫外線性:フッ素は結合力が強く、太陽光や紫外線による劣化に強いため、外壁の美観と機能を長く維持できます。
● 親水性(低汚染性):塗膜表面が水とよくなじみ、雨などの水分が汚れの下に入り込むことで、自然と汚れを洗い流すセルフクリーニング効果を発揮します。近年では「超低汚染性」とも呼ばれる高い性能を持つものもあります。
● 防カビ性・防藻性:湿気の多い場所や日当たりの悪い環境でもカビや藻が繁殖しにくく、外観を清潔に保てます。
● 防水性:雨水などの浸入を防ぐ高い耐水性を備えており、外壁からの水の侵入による建物の劣化を防止します。
これらの性能により、フッ素塗料は住宅の長期保護や外観の美しさを重視する方におすすめです。
こちらの記事では、外壁塗装の種類について解説しています。
それぞれの特徴や選び方も取り上げているため、
こちらの記事では、屋根塗装について解説しています。
費用の内訳や必要なタイミングも取り上げているため、
ぜひあわせて外壁塗装に使う塗料9種類の特徴比較!プロが教える後悔しない選び方 をご覧ください。
フッ素塗料のメリットとデメリット
フッ素塗料は、高い耐久性と耐候性を持つことで知られています。一方で、コスト面など注意すべき点も存在します。ここでは、フッ素塗料のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
フッ素塗料の特徴は「耐久性と耐候性」です。紫外線や風雨、熱などの外的要因に非常に強く、一般的に15〜20年 と長期間にわたって塗膜の劣化を防ぎます。そのため、塗り替えの頻度を抑えることができ、長く美しい外観を保ちたい方には理想的な選択肢といえるでしょう。
また、フッ素塗料は親水性を持っており、ホコリや汚れが雨水で自然に洗い流されるという性質もあります。 結果として、外壁がきれいな状態を長く保ちやすく、カビや藻の発生も抑えられるため、掃除や補修の手間を減らせます。
デメリット
フッ素塗料にはいくつかの注意点もあります。まず、ウレタン系やシリコン系の塗料と比べると高価なため、1回の施工にかかる費用が大きくなりがち です。
また、フッ素塗料は塗膜が硬いため、外壁材の膨張や収縮に追従しにくく、ひび割れが起きやすいという弱点もあります。さらに、製品の種類によってはツヤのあるタイプが中心のため、マットな質感が選びにくいケースもあります。
そのため、和風の住宅や光沢のある素材との調和を大切にしたい場合は、完成したときの見た目の印象をよく検討する必要があります。
外壁塗装にフッ素塗料を使うのはどんな場合におすすめ?

フッ素塗料はすべての建物や環境条件にとって最適な選択肢というわけではありません。ここでは、フッ素塗料の特徴を踏まえながら、どのような場合にフッ素塗料を選ぶべきなのかについて解説します。
長く持たせたい場合
住宅の外壁や屋根は常に風雨や紫外線の影響を受け、時間の経過とともに劣化していきます。しかし、フッ素塗料は優れた耐候性と耐久性を持ち、一般的なシリコン塗料の8〜12年 に対して15〜20年 の長寿命を実現できるため、長い目でみるとコストが安くなります。
加えて、フッ素塗料の持つ美観保持性により、長期間にわたって建物の外観を美しく保つことができ、資産価値の維持にも貢献します。
長期的にコストを抑えたい場合
初期費用が高いフッ素塗料ですが、塗り替え回数が少なくて済むため、足場代や養生、下地調整などにかかるトータル費用も削減できます。たとえば、30年間住み続ける場合を考えると、シリコン塗料では3回の塗り替えが必要になりますが、フッ素塗料なら2回で済みます。
そのため、築年数のある家を長く大切に使いたい方や、忙しくてメンテナンスの頻度を下げたい方におすすめの選択です。
劣化しやすい「屋根」と「附帯部分」を塗装したい場合
屋根や雨どい、破風板、軒天などは、建物のなかでもとくに傷みやすい箇所です。これらの部分には、より長持ちする塗料で保護することが大切になります。
フッ素塗料を使えば、雨風や紫外線による傷みを大幅に減らせます。また、部分的に使い分けることで、全体の費用バランスを調整することも可能です。
とくに、屋根は一日中強い日差しを浴び、さらに雨の影響も大きく受けるため、外壁よりも早く劣化が進みやすい部分です。そこで屋根にフッ素塗料を用いることで、外壁と同じサイクルで塗り替えが可能となり、足場の設置費用を一度に抑えられます。
フッ素塗料の価格相場と耐用年数
フッ素塗料による外壁塗装を検討する際、とくに気になるのは「費用」と「耐用年数」ではないでしょうか。ここでは、フッ素塗料の価格相場と耐用年数について解説します。
価格相場
フッ素塗料の施工価格は、1㎡あたり3,500〜4,800円が相場 です。一般的な30坪(約100㎡) の戸建て住宅での外壁全面塗装の場合、材料費、人件費、足場代を含めて総額で110万円以上かかるケースが多く 、ウレタン塗料やシリコン塗料と比べて、初期費用が高めになることは避けられません。
ただし、下地の状態や建物の形状、使用する塗料のグレードによって価格は大きく変動するため、複数社から相見積もりがおすすめです。
耐用年数
フッ素塗料の耐用年数は15〜20年 とされており、施工環境や地域の気候、定期的なメンテナンスの有無によって変動はあるものの、一般的なウレタンやシリコン塗料の5〜12年程度 と比べると格段に長持ちします。
この高い耐久性は、紫外線や雨風などの外的要因に対する優れた抵抗力によるものです。
そのため、外壁リフォームのサイクルをできるだけ延ばしたい方や、長期的な維持費を抑えたい方、頻繁な塗り替えを避けたい方にとって、フッ素塗料は非常に適した選択肢といえるでしょう。
フッ素塗料で外壁を塗装する際の注意点
フッ素塗料は高い耐久性と優れた性能を持つ一方で、選択や施工の際にはいくつか気をつけるべきポイントがあります。ここでは、フッ素塗料で外壁を塗装する際の4つの注意点を紹介します。
建物の寿命は延ばせない
どれほど高耐久で優秀な塗料を使用しても、建物自体の構造的な劣化は防げません。基礎のひび割れ、柱や梁の腐朽、雨漏りによる内部損傷などです。あくまでも、外壁塗装は建物の外観維持や防水保護、美観向上が主な目的です。
そのため、建物全体の構造寿命を飛躍的に伸ばすような、根本的な建物の問題を解決するものではない点を理解しておきましょう。塗装工事と並行して、必要に応じて構造部分の点検や補修も検討することが大切です。
光沢感のある仕上がりには注意が必要
フッ素塗料は、美しい光沢感と色の深みが得られる点が大きな特長です。ただし、落ち着いたマット調や艶消しの仕上がりを希望する場合には、選べる種類が限られることがあります。
また、光沢の強さは塗料の種類やグレードによって大きく異なります。そのため、施工前に必ずカタログやサンプル板を確認し、理想の仕上がりと合致しているかを確かめることが大切です。
業者選びが大切
フッ素塗料は、一般的な塗料と比べて施工に高度な経験や技術が必要です。 したがって、必ず専門技術と豊富な実績を持つ信頼できる業者を選びましょう。
残念ながら業界には悪質な業者も存在しています。正規品ではなく性能の劣る類似品や廉価版を使用したり重要な下地処理工程を省略したりするなど、工期短縮を図るケースが代表的です。
アイテックでは、きめ細やかなコンサルティングと丁寧な対応で、
安心の外壁塗装をご提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
フッ素での外壁塗装、価格を抑えるためには?
フッ素塗料は初期費用が高額になりやすいですが、工夫次第ではトータルコストを下げることが可能です。ここでは、価格を抑えるためのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
屋根と外壁を同時に塗装する
外壁や屋根の塗装を検討する際には、屋根と外壁を別々に施工するよりも同時に塗装することがおすすめです。なぜなら、それぞれ別に工事を行うと、その都度足場を設置しなければならず、足場代が重複してしまいます。
ただし、屋根と外壁をまとめて塗装すれば、足場の設置費用を1回分に抑えることができ、全体のコスト削減につながります。また、工程が一度に完結するため、工期の短縮や職人の作業効率の向上もメリットです。
施工実績の豊富な業者に依頼する
業者選びは技術・品質だけでなく、コスト面でも大切です。施工実績が豊富な業者であれば、下地処理や塗料の扱いに精通しているため、仕上がりが安定し、手直しや追加補修が最小限で済みます。
その結果、余計な支出を防げるという大きな利点があります。加えて、信頼のおける業者は適正な見積もりを提示してくれるため、工事後に不意の追加費用が発生するリスクも軽減されます。
屋根や外壁の劣化や破損が悪化する前に塗装する
建物を長持ちさせるためには、屋根や外壁の劣化や破損が進行する前に適切なメンテナンスを行うことが重要です。傷みが進んでから塗装や補修を行うと、施工範囲が広がり、その分費用も高額になってしまいます。
そのため、定期的に建物の状態を確認し、大きな不具合が発生する前に塗装や補修を実施することが大切です。早めの対応は、補修範囲の縮小やコスト削減につながるだけでなく、建物全体の耐久性を高める効果も期待できます。
相見積もりを取る
塗装の時期や依頼先が決まったら、複数の業者から見積もりを取ることも大切です。複数社の見積もりを比較することで、費用の相場を把握できるだけでなく、業者ごとの価格やサービス内容の違いも見えてきます。
具体的には、料金や使用塗料のグレード、保証内容などがチェックポイントです。それらをしっかり比べたうえで、価格と品質のバランスが取れた業者を選びましょう。
余計なサービスが含まれていないか事前にチェック
見積もりには、実際には不要な処理や過剰な下地処理、高額なオプション工事が含まれている場合があります。こうした不要なサービスが、割高な費用の原因となることは少なくありません。
契約前には内容を細かく確認し、本当に必要な工事かどうかを見極めることが大切です。
また、各工程の必要性について疑問を感じた際は、遠慮せず業者に理由を尋ねましょう。信頼できる業者であれば、その工程がなぜ必要なのか、また省略した場合にどのようなリスクがあるのかを丁寧に説明してくれます。
キャンペーン情報はしっかりキャッチしておく
季節や時期によっては、業者による割引キャンペーンや特典が実施されることがあります。閑散期(冬場など) を狙って見積もりや施工の依頼をすることで、割引価格で施工できる可能性が高まります。
キャンペーン情報を効率的に収集するためには、複数の業者のホームページやSNSを定期的にチェックすることが大切です。また、地域の新聞折込チラシやポスティングされるDMにも有益な情報が含まれているケースもあります。
さらに、一度見積もりを依頼した業者からは、その後もキャンペーン情報がメールや電話で届くことがあるため、良好な関係を維持しておきましょう。
火災保険を活用する
火災保険を有効に活用するのもコスト削減のポイントです。たとえば、台風や強風による飛来物での外壁や屋根の損傷、雹による屋根材の破損、積雪による雨樋の変形などは、火災保険の補償対象となる場合があります。
なお、保険を活用する際は、まず現在加入している火災保険の契約内容(補償範囲、免責金額、築年数制限など)をしっかり確認しましょう。
まとめ
外壁塗装にフッ素塗料を選ぶ最大の魅力は、長い耐用年数と高い耐久性・防汚性にあります。初期費用はやや高めですが、相見積もりや信頼できる業者の選定、さらに屋根との同時施工などを工夫することで、トータルコストを抑えつつ高品質な外壁リフォームを実現することが可能です。
アイテックでは、外壁塗装をはじめ、屋根葺き替えや防水工事まで幅広く対応しております。「快適な暮らしをもっと快適に」を企業理念に、きめ細やかなコンサルティングを提供し、長期的なメンテナンスサポートを行っています。
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