外壁塗装を業者に依頼するとき、どんな塗料を使うかは気になっても「プライマー」という下塗り材の存在までは意識が向きにくいものです。しかしこのプライマーは、塗装の仕上がりや耐久性を左右する大切な工程のひとつなのです。
この記事では、プライマーの役割や種類、使わない場合に起こるトラブルまでをやさしく解説しています。納得のいく外壁塗装を実現するための知識として、ぜひ参考にしてください。
目次
プライマーとは
プライマーとは、塗装工程において最初に塗る下塗り材のことで、塗料が塗装面にしっかり密着するようにするための接着剤のような役割を果たします。密着度を高めるためには、金属やコンクリート、木材など、さまざまな素材との相性を考慮しながら、適切なプライマーを使用しなければなりません。
プライマーは、上塗り塗料の性能を十分に発揮させるために不可欠な存在です。塗膜の剥がれや劣化を防ぐうえでも重要な工程であり、見た目の仕上がりのよさだけでなく、耐久性や機能性にも大きな影響を与えます。
プライマーの役割

先述のとおり、プライマーは塗装の仕上がりと耐久性を左右する重要な存在です。直接見える部分ではありませんが、塗料の性能を発揮させるためには欠かせない、重要な工程です。
プライマーの主な役割は3つあります。
塗料と基材の密着性を向上させる
塗料は、そのままでは多くの素材にしっかりと定着しません。最初の工程でプライマーを使うことで、金属やコンクリートなどの素材と塗料との接着性が高まり、塗膜が長持ちしやすくなります。密着性が低いまま塗装を行うと、短期間で剥がれや浮きが生じてしまいます。
ピンホールの発生を抑える
ピンホールとは、塗膜表面に生じるぷつぷつとした微細な穴のことです。直径は0.1〜0.5mm程度のものが多く、塗装面に対して無数に発生することがあります。
このピンホールは、空気や水分が抜け切らずに塗料内へ残留することで発生します。プライマーによって表面を均一に整え、基材の通気を抑えることで、こうした現象が防ぎやすくなるのです。
ただし、プライマーが乾く前に中塗りや上塗りなど次の塗装工程へ進むと、今度は内部の水分が逃げ場を失ってしまいます。これによってピンホールを引き起こす場合もあるため、プライマーが十分に乾燥したことを確認してから次の工程に移るなど、注意が必要です。
塗料が基材に染み込むのを防止する
木材やモルタルなど吸水性の高い素材は、塗料をそのまま塗ると塗料がしみ込み、色ムラや塗膜の厚み不足につながります。プライマーは、素材への塗料の吸い込みを抑え、上塗り塗料がしっかりと表面に留まるように調整する働きを担っています。
この工程を省略すると、十分に塗膜が形成されず、結果として劣化を早める原因になります。
プライマーとシーラー・フィラー・サーフェイサーの違い
塗装の下地処理には、プライマー以外にもシーラーやフィラー、サーフェイサーなど、似た用途の下塗り材が存在します。
いずれも上塗り塗料の密着や仕上がりに関わる重要な材料であり、メーカーや業者によっては大きな区別を付けずに名称を用いていることもありますが、厳密には目的や適用範囲に違いがあります。
プライマーとシーラーの違い
プライマーは主に「密着性の向上」を目的として使用される下塗り材です。一方のシーラーは「素材の吸い込みを抑える」「下地の劣化を封じ込める」ことが主な目的です。
とくに、コンクリートやモルタルなど吸水性の高い下地において、塗料の吸い込みを防ぎ、色ムラや塗膜のムラを抑える役割を担います。シーラーは、プライマーに比べてサラッとして粘度の低いものが多いのも特徴です。
プライマーとフィラーの違い
フィラーは、下地の凹凸を埋めて平滑に整えることを目的とした下塗り材です。ヘアクラックと呼ばれる細かなひび割れや、パテ処理だけでは埋まりにくい下地の荒れや段差を補修し、塗装の美観を向上させる効果があります。
プライマーが接着性の確保を主目的とするのに対し、フィラーは物理的な凹凸の調整に重点を置いた材料といえます。プライマーと比べて厚く塗る必要があるため、塗布量の高いローラーを用いて施工します。
プライマーとサーフェイサーの違い
サーフェイサーは、自動車や金属製品の塗装などでもよく使われる下塗り材です。プライマーと同様に密着性を高める役割がありますが、それに加えて、下地の微細なキズや凹みを埋める効果も兼ね備えています。
下地調整と仕上がりの均一化を同時に担う性質が強く、研磨性も高いため、上塗り前の足付け工程に適しています。
プライマーの種類1:性質の違い
プライマーは性質によって「水性タイプ」と「油性タイプ」に大別され、それぞれに適した用途や特徴があります。
水性プライマー
水性プライマーは有機溶剤を使用しておらず、臭いが少なくて取り扱いやすいという強みを持っています。木材や鉄をはじめ、サイディング壁などにも適しています。
環境への影響も比較的少ない一方、後述する油性プライマーと比べると乾燥に時間がかかる傾向があり、数時間から1日ほどの乾燥時間を必要とします。また、密着性もやや劣る場合があります。
油性プライマー
油性プライマーは、有機溶剤を含むため密着性に優れており、劣化の激しい外壁などにも強固に定着します。とくに浸透力や防錆性能が高く、速乾性や対候性にも優れていることから、工期の短縮や長期間の美観保持にもつながります。
その反面、臭気が強く、換気に対する配慮などの安全管理が必要となる場面もあります。
プライマーの種類2:機能の違い
プライマーには、下地の性質や用途に応じた多機能なタイプも存在します。ここでは、代表的な2種類を紹介します。
防錆プライマー
防錆プライマーは、金属表面の酸化を防ぐために使用される塗料です。鉄や亜鉛メッキなどに使用すると、空気中の水分や酸素との接触を遮断し、サビの発生を防止します。過酷な環境でも塗膜が長く保たれるため、幅広い分野で用いられています。
浸透性プライマー
浸透性プライマーは、劣化したモルタルやコンクリートの下地に深く染み込んで、素材を強化するタイプです。脆くなった下地の強度を高めながら、上塗り塗料との密着性を向上させます。とくに外壁の補修工事などにおいて、塗装前の補強工程として重宝されています。
最適なプライマーの選び方
プライマーの選定は、下地の性質や塗装対象の使用環境によって大きく異なります。以下の要素をもとに、現場の状況に合ったものを選びましょう。
● 下地の種類を確認する
金属には防錆性能のある油性プライマー、コンクリートやモルタルには浸透性プライマー、木材には水性タイプが一般的に適しています。素材に適したプライマーを使うと、塗膜の密着性や耐久性の向上につながります。
● 塗装環境を考慮する
屋外であれば紫外線や雨風に強いもの、湿気が多い環境では防カビ性を備えた製品が適しています。屋内作業なら、臭気の少ない水性プライマーが扱いやすいでしょう。
● 塗料との相性を確認する
使用する上塗り塗料との相性によって、密着性や耐久性、仕上がりのよさが左右されます。プライマーの成分によっては、塗料の密着不良や化学反応による劣化を招く可能性があるためです。プライマーと塗料を同一メーカーに揃えるほか、外壁の劣化状態を確認しながら、慎重に組み合わせを選定する必要があります。
● 施工条件や作業環境を確認する
短時間で仕上げる必要があれば、油性プライマーなど乾燥時間の短い速乾性タイプがおすすめです。一方、においが気になる場所では、水性プライマーなどの低臭タイプを優先すると安心です。
施工現場の状況や目的に応じて、最適な組み合わせを考慮することが成功の鍵になります。外壁塗装をご検討中の施主様は、こうした知識を豊富に蓄えた「外壁塗装のプロ」へぜひご相談ください。
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まとめ
プライマーは塗装の密着性や耐久性を左右する重要な下地材です。素材や環境、用途に応じて最適な種類を選ぶことで、塗装の仕上がりや寿命に大きな差が出ます。
水性・油性、防錆・浸透強化といった多様なタイプのなかから、プロと相談しながら最適な一品を選定することが、後悔しない塗装工事の第一歩です。
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