「軒天(のきてん)」という言葉を業者から聞いて戸惑っていませんか?外壁塗装の見積もりで「軒天も傷んでいますね」と指摘されても「どこを指すのか」「なぜ修理が必要なのか」などが分からず、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、軒天の基本からメンテナンス方法まで、家を守るために知っておきたいポイントを解説します。ぜひ参考にして、納得のいくメンテナンスにつなげましょう。
目次
軒天(のきてん)とは?
外壁塗装や住宅のメンテナンスを検討していると、見積書や業者の説明で「軒天が傷んでいます」といわれるケースがあります。
しかし、日常生活ではあまり耳にしない言葉かもしれません。まずは、軒天の場所や役割、似た用語との違いなど知っておきたい基礎知識を紹介します。
軒天と軒裏は同じ意味
「軒天」と「軒裏(のきうら)」は、どちらも屋根の軒先の裏側にあたる部分を指す建築用語です。言葉が違うために混同されやすいですが、実際には意味や位置に違いはなく、どちらも同じ場所を指しています。
そのため、たとえば見積書に「軒裏の塗装が必要です」と書かれていても、それは「軒天の塗装」が必要という意味だと理解して問題ありません。
そもそも「軒」って何?
「軒(のき)」とは、屋根が外壁よりも外側に突き出している部分のことを指します。日本の住宅では、雨や直射日光が外壁に直接当たるのを防ぐため、屋根をやや長めに設計することが一般的です。
この突き出した屋根部分を「軒」と呼び、構造上も見た目の印象にも大きな影響を与える重要な部分でもあります。また、軒が深い住宅は、夏場の直射日光を遮って室内の温度上昇を抑えたり、外壁の劣化を遅らせたりする効果も期待できます。
軒下・軒先とは
似たような用語として「軒下」や「軒先」という言葉もありますが、それぞれ指している場所には明確な違いがあります。
● 軒下:屋根の軒がかかっている真下の空間を指します。たとえば、玄関ポーチの上や窓の上にある雨除けのスペースが該当します。雨が直接入りにくいため、自転車置き場や荷物の仮置き場として使われることもあります。
● 軒先:屋根の一番外側の端、つまり屋根の張り出し部分の先端を指す言葉です。雨樋(あまどい)が取り付けられている部分も、軒先に含まれます。
軒天は屋根の裏側にある天井部分を指し、軒下や軒先とは位置も役割も異なる建築用語です。
軒天が持つ4つの役割
軒天は、ただ屋根の裏側を覆っているだけの部材ではありません。実は、住まいの快適さや安全性、美観を守るために欠かせない重要な役割を担っています。ここでは、軒天が果たす4つの主な役割について解説します。
住宅の美観性を高める
軒天は、屋根の野地板(のじいた)や垂木(たるき)といった構造材を隠し、住宅の外観をすっきりと整える役割があります。軒天がきれいに仕上がっていれば、家全体の印象が引き締まり、上品で手入れの行き届いた住まいに見せられます。
普段は目立たない部分ですが、軒天の美しさは家の第一印象を大きく左右する存在ともいえるでしょう。
燃焼を防止する
隣家や自宅で火災が発生した場合、軒天は火が屋根裏へまわるのを防ぐ「防火壁」の役割を果たすのも軒天です。とくに、都市部など住宅が密集している地域では、火災の延焼リスクが高まるため、軒天には不燃性・耐火性に優れた素材(ケイカル板や金属板など)が多く使われています。
建築基準法でも、防火性能の高い軒天材の使用が義務付けられている地域があり 、住まい全体の安全性を高める重要な部位です。
出典:e-GOV「建築基準法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201)
外壁の劣化を低減する
軒天は、屋根から突き出した部分が雨や日差しから外壁を守り、外壁材の劣化を抑える役割を担っています。たとえば、雨水の吹き込みや紫外線による色褪せ・腐食を防ぎ、外壁の寿命を延ばす効果があります。
一方、軒天がない「軒ゼロ住宅 」では、外壁が直接雨や日差しにさらされやすく、経年劣化や汚れが目立ちやすくなるため、軒天の存在は家の耐久性を保つうえでも非常に重要です。
屋根裏の換気を行う
軒天は通気機能も担っています。軒天部分に取り付けられた通気孔を通じて、屋根裏に溜まった湿気や熱を外部へ逃がすことが可能です。
この仕組みによって屋根裏の空気循環が促進され、蒸気や過剰な熱が建物の外へ排出されることで、室内環境の改善が図られます。また、屋根材や断熱材の経年劣化を抑える効果も期待できます。
とくに、近年の高気密・高断熱住宅では、屋根裏の換気が不十分だと内部結露が発生しやすくなる ため、軒天の換気性能はますます重要視されています。
軒天のタイプは2種類
軒天には大きくわけて「外壁一体型」と「ボード型」の2つのタイプがあります。自宅の構造や今後のメンテナンス方法を適切に判断するためにも、ぜひおさえておきましょう。
外壁一体型
外壁一体型は、モルタルなどの塗り壁住宅に多く見られるタイプです。外壁と同じ素材・工法で軒天部分も仕上げられているため、外壁と軒天が一体化した見た目になります。外壁塗装や補修を行う際、軒天も同時にメンテナンスされることが多い点が特徴です。
ボード型
ボード型は、サイディングと呼ばれる板状の外壁材が使われた壁や、多くの戸建てで採用されている主流のタイプです。ケイカル板や金属板など軒天専用のボードを外壁とは別に取り付ける構造で、素材やデザインの選択肢が豊富です。
さらに、劣化や損傷があった場合、部分的な張替えや補修がしやすいというメリットもあります。
軒天に使われる材質ごとの特徴
軒天は屋根の軒先裏側を覆う重要な部材で、家の耐久性を保つうえ、その素材選びは住宅の耐久性や美観、メンテナンス性に大きく影響します。ここでは、代表的な軒天材の種類ごとに特徴やメリット・デメリットを解説します。

ベニヤ板
ベニヤ板は、木材を薄くスライスし、何層にも重ねて接着した合板です。加工しやすくコストも安価なため、かつては軒天の主流素材として広く使われていました。 軽量で施工性が高く、リフォームや増し張りにも適している点が魅力です。
しかし、吸水性が高いため水分を含むと腐食やカビが発生しやすく、耐火性・耐水性にも劣ります。そのため、近年では使用が減少傾向にあります。さらに、定期的な塗装メンテナンスが必須で、放置すると劣化が早まる点がデメリットです。
プリント合板
プリント合板はベニヤ板の表面に化粧シートやプリントを施したもので、木目調やカラーバリエーションが豊富で意匠性に優れています。比較的安価で増し張りリフォームにもよく使われる素材です。
ただし、ベニヤ板同様に耐水性・耐火性は高くなく、表面のプリントが経年により剥がれたり色褪せたりするケースがあります。
ケイカル板
ケイカル板は、ケイ酸質や消石灰、繊維質を主原料とした不燃建材です。耐火性・耐水性・耐久性に優れており、現在の軒天材でもっとも多く採用されています。
厚みやサイズのバリエーションが豊富で、木目調やカラータイプも選択可能です。また、シロアリやカビの発生リスクが低くメンテナンス性も高いことも特徴です。
ただし、1970年代後半から1980年代に製造された古いケイカル板には、アスベストが含まれているリスクがあります。 アスベストは人体に有害な物質であり、吸入すると健康被害を引き起こすおそれがあるため、リフォーム時には注意が必要です。
フレキシブルボード
フレキシブルボードは、セメントと繊維質を混ぜて作られた合成建材です。その最大の特徴は、軽量でありながら曲げ加工が容易な点です。そのため、複雑な形状の軒天や湾曲した部分にも、柔軟に対応できます。
加えて、耐水性や耐火性、耐久性にも優れており、長期間にわたり安心して使用できることから、近年は新築だけでなくリフォームにも多く採用されています。一方で、ケイカル板より価格がやや高めで、重量もあるため施工の際には取り扱いに注意が必要です。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、亜鉛・アルミニウム・シリコンを主成分とした耐久性の高い金属板です。優れた耐水性・耐火性を持ち、錆びにくくメンテナンス頻度が低いことが特徴です。
また、軽量ながら強度があり、軒天だけでなく屋根や外壁にも広く使われています。カラーバリエーションが豊富で、モダンな外観デザインにおすすめです。
しかし、潮風や落ち葉などの影響を受けやすく、錆びやすい傾向があります。また、外部からの衝撃にも弱く、へこみやすいという欠点もあります。そのため、周辺環境によってはこまめなメンテナンスが必要になります。
スラグ石膏板(エクセルボード)
スラグ石膏板は、石膏に製鋼の副産物であるスラグを混ぜて作られた建材です。軽量で加工しやすく、比較的低コストで施工が可能なため、集合住宅や商業施設の軒天材として広く採用されています。さらに、一定の耐火性能を持っているため、防火対策としても有効です。
ただし、耐水性や耐久性はケイカル板やフレキシブルボードに劣り、水分を吸収すると強度が低下しやすいという弱点があります。そのため、湿気の多い場所や直接水がかかる環境には不向きといえるでしょう。
モルタル
モルタルは、セメント・砂・水を混ぜて作る伝統的な左官仕上げ材です。外壁と一体化した仕上がりとなるため、建物全体に統一感のある美しい外観を実現できます。とくに、塗り壁住宅や和風住宅に多く用いられ、自然な風合いや重厚感が魅力です。
しかし、経年によるひび割れや剥がれが起きやすく、定期的な塗装や補修が必要になります。また、施工には特殊な技術が求められるため、職人の腕次第で仕上がりの品質に差が出る素材ともいえます。
軒天の寿命とよくある劣化症状
軒天は、普段は目が届きにくい場所であるため、劣化に気づかず放置されやすいです。ここでは「軒天はいつ交換や補修が必要になるのか?」という疑問を解決するため、軒天の寿命や代表的な劣化症状について解説します。
軒天の寿命は10~30年
軒天の寿命は、使用される材料や設置環境、メンテナンス頻度によって大きく異なりますが、おおむね10〜30年 が目安とされています。たとえば、木材系の軒天は10年程度で劣化 が目立ち始めるといわれています。
一方、近年主流のケイカル板(ケイ酸カルシウム板)やフレキシブルボードなどの不燃材は、耐久性・耐水性に優れ、30年近く持つケースもあります。
ただし、どの材料であっても、湿気や経年による劣化は避けられません。また、台風や強風、豪雨などの自然災害が原因で、想定より早く傷むこともあるため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。
よくある軒天の劣化症状
軒天の劣化は、見た目の変化として現れることが多く、以下のような症状が代表的です。初期に気がつき対処すれば、補修費用を抑えられるだけでなく、家全体の寿命を延ばすことも可能です。ぜひチェックしておきましょう。
汚れ・変色・色褪せ
軒天は紫外線が直接当たりにくい部位ですが、地面からの太陽光の反射や風によるホコリ、排気ガスなどの周囲環境の影響を受けやすい場所でもあります。
そのため、次第に色褪せや変色、汚れが目立つようになります。これらは塗膜の劣化を示すサインでもあり、放置すれば防水性が低下し、雨水の浸入を招く原因になるので早期に対処しましょう。
水染み・雨漏り
軒天にできたシミや濃い水染みは、見過ごしてはいけない重要な兆候です。なぜなら、塗膜の劣化だけでなく、屋根や外壁の隙間から水が入り込んでいる可能性もあり、内部の構造材が腐食している可能性があるためです。さらに、雨漏りが進行すると、建物全体の耐久性にも悪影響をおよぼしかねません。
カビ・腐食
湿気がこもりやすい軒天は、カビや藻、苔などの微生物が発生しやすい環境です。とくに、風通しが悪い場所では顕著で、放置しておくと広範囲に広がる場合もあります。
カビや腐食が進行すると見た目が悪くなるだけでなく、深刻な健康被害や建物内部へも影響するので、放置は厳禁です。
ひび割れ・反り
木材系の軒天材ではとくに注意が必要で、経年による乾燥や湿気の影響で、ひび割れや反りといった変形が起きやすくなります。
このような症状は、軒天材の耐久性や機能が著しく低下しているサインです。放置すると部材が落下するおそれもあり、安全性の観点からも早めの対処が求められます。
剥がれ
剥がれや破損は、木材系や化粧板の軒天によく見られる症状です。剥がれた部分から雨水が浸入しやすくなり、さらに劣化が進行します。剥がれが発生している場合は、塗装だけでは対処できず、張替えや上から新しい部材をかぶせるように施工するカバー工法 が必要となります。
軒天の劣化を放置することで起こりうるリスク
軒天の劣化を放置すると、家全体の耐久性や安全性に重大なリスクが生じます。見た目の悪化だけでなく、建物の機能や住環境に深刻な影響をおよぼすため、早期の対応が不可欠です。ここでは、軒天の劣化を放置した場合に起こりうる主なリスクについて解説します。
雨漏りが発生する
軒天がひび割れたり、剥がれや隙間がうまれたりすると、そこから雨水が屋根裏や壁内部に浸入しやすくなります。軒天は本来、屋根や外壁を雨水から守る役割を担っていますが、劣化が進むとその機能が失われ、雨漏りの原因となります。
雨漏りは木材の腐食やカビの発生、さらにはシロアリ被害を招くこともあり、家の構造部分に深刻なダメージを与えます。 初期の小さな雨染みでも、放置すると被害が拡大し、修理費用が高額になる可能性もあります。
隙間や穴から害獣・害虫が侵入する
軒天にできた隙間や穴は、コウモリや小鳥、ネズミなどの害獣、さらには蜂やゴキブリなどの害虫が侵入する絶好の入り口となります。
屋根裏に巣を作られると、断熱材の破損や糞尿による悪臭、ダニやノミの発生など、衛生面でも多大な被害がおよびます。とくに、ネズミやコウモリは繁殖力 が強く 、一度住みつかれると駆除や修繕に多くの手間と費用がかかるため、早めの対処が重要です。
強風で屋根が剥がれる可能性がある
軒天が劣化すると、建物全体の安全性に大きな影響をおよぼす可能性があります。たとえば、ひび割れや破損があると、強風や台風の際に風が屋根裏に吹き込みやすくなります。
この風が屋根の内側から圧力をかけることで、屋根材が浮き上がったり、剥がれたりする原因になります。場合によっては、屋根全体が飛ばされてしまうケースもあるほどです。
軒天は屋根の構造を守る大切な部分であり、ここが傷んでしまうと、屋根全体の耐風性が大きく低下してしまいます。台風が多い日本では、軒天の点検を定期的に行い、劣化のサインを早めに見つけることが重要です。
建物全体の耐久性が低下するおそれがある
軒天は雨水や湿気、害獣の侵入を防ぐ「バリア」として機能しています。軒天が劣化すると屋根裏や外壁、構造体までダメージが広がり、家全体の耐久性が著しく低下します。
また、腐食やカビの発生は見えない部分で静かに進行するため、気づいたときには大規模な修繕が必要になるケースも少なくありません。最悪の場合、家の寿命そのものを縮めてしまう可能性もあるため、放置は厳禁です。
【症状別】軒天の修理方法
軒天の劣化が見られた場合、症状や進行度合いによって最適な修理方法は異なります。ここでは代表的な3つの修理方法を中心に、症状ごとの対応策を解説します。
劣化が軽度の場合は塗装
汚れや色褪せ、軽微なひび割れ、表面の劣化のみの場合は「再塗装」が基本的なメンテナンス方法です。塗装作業は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程で行われ、しっかりと乾燥させながら重ねることで強い塗膜を作ります。
また、塗装は外壁や屋根の塗装と同時に行うと、足場代を節約できるというメリットもあります。ただし、軒天の材質によっては水に弱い場合もあるため、高圧洗浄は避け、手作業で下地処理を行うとよいでしょう。また、金具や釘の部分はサビ止め処理も必要です。
剥がれが起きている場合は増張り補修
軒天の表面が剥がれていたり、部分的な傷みが見られたりする場合は「増張り補修(カバー工法)」が有効です。この方法は、既存の軒天材の上から新しい軒天材(主に耐火性・耐久性に優れたケイカル板など)を重ねて張る工法です。
既存材を撤去する必要がないため、工期が短く、廃材処分費用も抑えられる点がメリットです。ただし、部分的に増張りを行うと、既存の高さとの間に段差ができやすいため、基本的には軒天全体を補修するケースに向いています。また、増張りした新しい材料も塗装して防水性を高める必要があります。
雨漏りなどで劣化が著しい場合は張替工事
軒天に大きな穴があったり、雨漏り・腐食・カビの広がりが見られたりする場合は「張替工事」が必要です。この工事では、劣化した軒天材や下地材をすべて撤去し、下地の補修や防水処理を行ったうえで、新しい軒天材を張り直します。
劣化が一部であれば部分的な張替えも可能ですが、傷みが広範囲におよんでいる場合は、全体を張り替えるのが望ましいです。とくに、下地や構造部分まで劣化が進んでいるケースでは、張替工事は非常に重要です。
そのまま放置してしまうと、建物全体の耐久性が大きく損なわれるおそれがあるため、早めの対応が欠かせません。
どの方法が適切か丨判断はプロに任せるのがおすすめ
軒天の傷みは、外から見ただけでは判断しづらい場合が多く、一見して軽度に見えても内部で劣化が進行していることも珍しくありません。また、軒天の材質や下地の状態によっても最適な修理方法は異なります。
安全面や仕上がりや将来的な耐久性を考慮すると、自己判断での修理は避け、必ず専門業者に点検・診断を依頼することが大切です。
こちらの記事では、屋根塗装について解説しています。
費用の内訳や必要なタイミングも取り上げているため、
ぜひあわせて屋根塗装の相場っていくら?費用の内訳や安く抑えるコツを解説 をご覧ください。
軒天の塗装修理はDIYでもできる?
軒天の修理費用は数万〜数十万円におよぶ ため「自分で塗装修理できないか」と考える方も多いでしょう。しかし、DIYでの軒天補修にはできるケースとおすすめできないケースが明確に存在します。ここでは、DIYの可否とそのリスクについて解説します。
DIYで対応可能なケース
DIYで塗装や補修が可能なのは、軽度な症状かつ安全に作業できる環境に限られます。次のようなケースではコストダウンも可能です。
● 小さな塗膜の剥がれや軽度の汚れ
● 端部の簡単な塗り直し
● 小さな穴のパテ埋め+塗装
● 1階部分など、脚立で安全に作業できる高さ
● 材料や道具がそろい、作業に自信がある場合
ただし、少しでも不安がある場合や症状が進行している場合は、無理をせず専門業者に相談するのが安心です。
業者に依頼すべきケース
次のような場合は必ず専門業者に依頼しましょう。
● 剥がれや腐食が広範囲におよぶ
● 雨漏りや下地の腐食が疑われる
● 2階以上の高所作業が必要
● 軒天の素材や構造が分からない
● 足場が必要な場所
高所作業は落下事故のリスクが非常に高く、厚生労働省の労働災害統計でも毎年多くの事故が報告されています。誤った補修でかえって劣化を進行させてしまうリスクもあるため、必ずプロに依頼しましょう。
出典:厚生労働省「令和6年労働災害発生状況」(https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/content/contents/002239061.pdf)
自宅に合った軒天の色選びのポイント
軒天は、家の外観を構成する重要な要素です。普段は目立ちにくい場所ですが、軒天の色を変えるだけで家全体の印象が大きく変わるため、メンテナンスや塗装の際には色選びにもこだわりたいところです。
最後に、デザイン性と機能性の両面から、自宅に合った軒天の色選びのポイントを解説します。
軒天の色の基本的な決め方
軒天の色を決める際は、まず外壁や屋根、付帯部との調和を意識しましょう。具体的には次のように色のバランスを考えれば、統一感のある美しい外観に仕上がります。
外壁や屋根の色に合わせる
もっとも一般的で失敗が少ないのが、外壁や屋根と同系統の色でまとめる方法です。たとえば、外壁がグレー系であれば軒天も淡いグレーやホワイト系でそろえると、洗練された印象になります。また、同色でまとめると空間が広く見える効果もあり、建物全体を大きく見せられます。
ナチュラルなベージュ系、シンプルなホワイト系など、住宅全体の雰囲気に合った色を選ぶことで、違和感のない仕上がりになります。
付帯部の色に合わせる
雨樋や破風板など、細部の付帯部と軒天を同じ色で統一するのもおすすめの方法です。細かい部分がそろうことで、家のシルエットがよりはっきりと際立ち、メリハリのある印象になります。たとえば、黒やこげ茶などの引き締め色を使えば、シャープでスタイリッシュな外観になります。
また、モダン住宅や和モダンスタイルなど、デザイン性を重視した住宅では、付帯部と軒天のカラーリンクが全体の完成度を高める要素です。
オーソドックスなのは白色
軒天の色としてもっとも人気があるのが白系のカラーです。白、アイボリー、クリームといった明るい色は、日陰になりがちな軒下を明るく見せ、住宅全体の清潔感を演出します。とくに、和風・洋風問わずどんな住宅スタイルにも合わせやすく、初めての塗り替えでも選ばれやすいカラーといえるでしょう。
また、明るい色は光を反射するため、虫が寄りつきにくくなるという副次的な効果も期待できます。ただし、白はホコリやカビ汚れが目立ちやすいため、定期的な清掃や塗装メンテナンスが必要になる点に注意が必要です。
引き締まった印象にしたいならダークカラーも
近年では、ブラックやチャコールグレーなどのダークカラーを使った軒天も注目されています。外壁が明るい色の場合、軒天に暗めの色を加えると、全体的に重厚感が加わり、よりモダンな印象に仕上がります。
また、ダークカラーは汚れが目立ちにくく、長期間メンテナンスの手間を減らせる点もうれしいポイントです。スタイリッシュなデザインやホテルライクな外観を目指したい方にはおすすめのカラーといえるでしょう。
軒天を目立たせる色使いでオシャレ感アップ
周囲と調和させるのも大切ですが、あえて軒天をアクセントカラーとして目立たせることで、住まいにオリジナリティを持たせることも可能です。
たとえば、外壁がベージュなら木目調の軒天を組み合わせたり、屋根がネイビーなら淡いブルーの軒天で爽やかな印象に仕上げたりと、配色によってデザインの幅が広がります。
なお、鮮やかな色を使う場合は、ドアや窓枠などのほかのアクセントカラーとのバランスを見て、全体に統一感が出るよう意識するとよいでしょう。
クリア塗装で素材本来の風合いを活かす選択肢も
もし、木材やケイカル板など自然素材の質感を活かしたデザインを好むなら、着色せずクリア塗装で仕上げる方法もあります。素材の持つ色合いや木目がそのまま残るため、ナチュラルで温もりのある印象になり、和風建築やカフェ風の家などにとくによく合います。
ただし、素材の状態や環境によっては色ムラが出やすい場合もあるため、事前にサンプルで確認し、イメージとあっているかを確認しましょう。経年変化も楽しみながら、住まいに味わいを追加したい方におすすめです。
アイテックでは、軒天の補修工事も承っております。
実際に行った施工事例も確認いただけますので、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
軒天の役割や劣化症状、修理方法、そして色選びまで幅広く紹介してきました。家の外装は見た目だけでなく、住まいの耐久性や快適性にも直結する重要なポイントです。
だからこそ、軒天のメンテナンスや塗装は、信頼できる専門業者に任せることが安心で確実な選択といえます。
アイテックは、神奈川県を中心に塗装・リフォームを行っています。多くの実績を持ち「新築よりも住み良い家」を目指して、お客様一人ひとりのご要望に寄り添った最適なご提案をいたします。
外壁や屋根、軒天の塗装から防水工事、内装リフォームまでトータルにサポートし、家の美観と機能性を守ることで、永く住み続けられる家づくりが可能です。無料のお見積もりやご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
塗装は、コストパフォーマンスの高い住まいを手にする投資のひとつです。アイテックでは、地域密着型の丁寧な対応でお客様に選ばれています。ぜひお任せください。
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