住宅の外壁塗装やリフォームの際、ぐるりと周囲に組まれる足場、その費用がどのくらいなのか、ご存知ですか？もちろん見積書には、内訳として足場費用も記載されているものですが、それが適正な価格なのかはよくわからない、そう思っている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
本記事では、そんな足場を組む際の価格相場や簡単な計算方法から、よい業者の選び方まで、足場工事にまつわる疑問について解説します。
目次
足場を組む場合の費用相場
足場の費用は、700円/m2〜1,000円/m2が相場 です。足場全体は、足場の面積に施工単価を掛ける形で計算 するため、施工会社から提示された費用がだいたい「足場面積×700円/m2～1,000円/m2」におさまっていれば、安心の価格と判断してよいでしょう。
ここで簡単に計算してみましょう。まずは足場の面積を算出します。
足場面積は「建物の外周×建物の高さ×1.1（高さは一般的な数字として、1階建てを3.5m、2階建てを6m、3階建て8.5mと定義します）」で計算します 。では「外周40mの2階建て住宅（30坪前後）」の足場面積を計算してみましょう。「外周40×高さ6×1.1＝264m2 」となります。
足場面積が計算できたら、そこに施工単価を掛けることで足場費用が計算できます。単価を仮に700円とすると「264×700＝184,800円 」となります。一般的な大きさとされる、30坪2階建ての住宅であれば、足場の費用は19万円弱で組めるようです。
ただし、ここで注意しておきたいのが「足場の費用は、建物の大きさ（延べ坪）と階数（軒高）によってかなり変わる 」という点です。
「延べ坪」とは、建物の各階の床面積を合計した坪数を指します。つまり、建物の周りに設置する足場の面積は、対象となる建物の階数が増えるとその分大きくなるということです。また、建物の階数が増えるとそれだけ高所作業が増えるということですから、それを見込んで建物の階数に応じて足場代の施工単価がアップする場合も多くみられます。
ここから2階建ての場合と3階建ての場合に分けて、費用相場を解説します。
2階建ての場合
2階建ての住宅に組む場合の施工単価は、700円/m2〜1,000円/m2 となっています。
この単価をもとに、いくつかの費用相場を算出してみると、20坪（面積195m2）が14万円〜20万円 、30坪（面積228m2）が16万円〜23万円 、40坪（面積255m2）が18万円〜26万円 、50坪（面積279m2）が20万円〜28万円 となります。
延べ床30坪の2階建てが、一戸建て住宅の平均的な大きさであるといわれています。その平均から見ると、組むべき足場の費用は16〜23万円が相場ということになります。
3階建ての場合
次は3階建てについてです。足場の施工単価は、700円/m2〜1,100円/m2 となっており、2階建てと比べて100円程度高いのが相場です。
この単価をもとに、いくつかの費用相場を算出してみると、20坪（面積279m2）が20万円〜31万円 、30坪（面積325m2）が23万円〜36万円 、40坪（面積364m2）が26万円〜40万円 、50坪（面積399m2）が28万円〜44万円 となります。
延べ床30坪の住宅を3階建てに仕上げるのもまた、平均的な住宅の形だと言われています。この場合、組むべき足場の費用は23～36万円が相場になるということです。
足場の費用が相場よりも高くなる事例
さて、平屋よりも2階建て、3階建てと階数が増えるごとに足場費用の平均相場は高くなるケースが多いという話でした。このほかにも、足場費用が高くなりやすい事例がいくつかあります。それぞれのケースについて解説します。
3階以上の建物
3階建て以上の建物に足場を設置する場合、もちろん順当に費用は上がります。一般的には、2階建て以下の建物よりも、1m2あたり200〜300円ほど単価が高く なると考えておいてください。
建物が高くなれば高くなるほど、しっかりとした足場を組むための資材が増え、またそれを組んだり運搬したりするための時間や労力も比例して増えるためです。高層の建物に対して足場を組もうと考えている場合は、この点を留意しておきましょう。
狭い敷地内に建てられている建物
横に広い、縦に高い建物に足場を組むにはそれだけたくさんの費用がかかる、ということはなんとなく想像できます。しかし、逆に敷地が狭いという場合にも費用が高くなるケースがあるのです。
建物が敷地いっぱいに建っていて、隣接する建物や物件があった場合は、とくに足場を設置する費用が相場よりも高くなる傾向があります。敷地が狭いということは、人間が入れる隙間が狭い、作業スペースが確保できないという問題が発生します。
このための手間と時間、その後の工期に影響しないように人材を多く投入するなど、費用を上乗せする要素がいくつも出てくるということです。
運搬が必要な建物
また、足場材料の運搬車が現場に入れない構造の土地である場合も、足場費用が高くなります。運搬車が現場に入れないということは、少し離れた場所に車を置いて、作業員が材料を担いで運ぶ必要があります。この運搬費が上乗せされるのです。
このため、運搬車が入れない、または対向車がすり抜けられないために長時間トラックを停めておけないような狭い住宅街や、道路沿いの現場、狭い路地に面した現場などでは、費用が相場よりも高くなる可能性があります。
足場工事業者の選び方
足場を相場の金額内に収めるためには、良い業者との出会いが大切です。しかし、足場工事ができる業者は非常に数が多く、どこでいい業者とよくない業者を見分ければいいのか、判断がつかないという方もいらっしゃるでしょう。
もしもあまりよくない業者に依頼してしまうと、必要な工事がうまくやってもらえない、見積もりをもらったのにもかかわらず、よくわからない費用が加算されていつの間にか相場以上の料金を取られてしまった、という事態にも発展しかねません。
そんなことにならないために、ここでは良い足場工事業者を選ぶための3つのポイントをご紹介します。
施工実績が豊富
工事は、なんといっても実績です。多くの工事をこなしたということは、それだけ足場をたくさん組んできたということです。
ビルや戸建て、マンションなどさまざまな状況での足場設置に対応してきた業者であれば、積み上げた経験をもとに、今回もきっと適切に対応してくれるでしょう。
業者も実績が信頼につながるということはわかっています。自信のある業者は、実績をホームページにきちんと載せているはずです。選定の際は、一度ホームページにアクセスして、実績を確認しておきましょう。
また、施工実績を確認すると同時に、工事価格についても明記 されているかどうか確認しましょう。もしも毎回相場を無視した料金を請求しているような業者であれば、はっきりとしたことが記載できないはずです。
足場費用が適切
リフォームや外壁塗装を行う業者で、まれに「足場費用は無料」と宣伝している業者があります。しかし、足場の設置には材料費、調達にかかる費用、設置作業にかかる人件費などが必ずかかるものです。冒頭にご説明したとおり、700円/m2〜1,000円/m2が相場で、それはリフォームなどの工事費全体から見ても約20％を占める ほどです。
決して少ない費用ではないため、おいそれと無料にすることはできません。たとえ「足場費用はサービスします」と言われたとしても、実際はほかの費用と抱き合わせになっていたり「足場費用も込みでディスカウント」という意味 だったりします。
このような理由から、簡単に「足場費用が無料」と宣伝する業者には注意したほうがよいでしょう。
また、足場費用が相場から大きく外れている業者は、市場の動向が理解できておらず、適切な価格設定ができていない可能性があります 。
信頼できる業者がどうか、ぜひ見積書をしっかりとチェックしてください。しかし、ひとつの業者だけでは判断しかねるため、数社と相見積もりを取って比較することをおすすめします。
さまざまな業者の見積もり金額や工事仕様書を比較していけば、全体の相場感や必要な費用、不要な項目、あやしい記載などがわかるようになります。もちろん担当者に細かく「これはなんの費用ですか？」「今の相場はどのくらいですか？」と質問しても大丈夫です。
しっかりした業者であれば、理解できるまで答えてくれるはずです。
保証内容の充実
工事中に事故が起きる、外壁や建物が破損してしまうなど、工事というものには、不慮の事故への不安が必ずつきまとうものです。こんなとき、保険や保証は非常に大切です。
万が一、建物の一部が破損したり、資材などが盗難に遭ったとしても、業者が「建設工事保険 」や「請負業者賠償責任保険 」に加入していれば、保険が損害を補填してくれます。
また、もしも業者が工事の途中で経営不振に陥ったり、倒産してしまうなどで補修できない状態になったとしても、保険会社からリフォーム費用などが支払われる保険もあります。まず足場工事をお願いする業者が、建設業者向けの保険に加入していることを確認しましょう。
また、施工後も相手側のミスが発覚した際に無償で補修してもらえる「工事保証 」がついているなど、アフターフォローの充実度もチェックポイントです。それらの保証内容は必ず保証書として形にしてもらい、保証期間中は失くさないように保管しておきましょう。
まとめ
外壁塗装やリフォームなどの際に組む「足場」の費用相場や簡単な費用の算出方法、良い業者の選定方法などについて解説しました。
足場は工事を行うのに大変重要なツールです。足場なくしては工事は成り立ちません。ぜひ、しっかりとした足場を適正価格で組んでくれる業者を探すようにしてください。
アイテックは神奈川県で塗装やリフォームを請け負っています。神奈川全域をはじめ、一部東京まで、自慢の塗装とリフォーム技術で新築よりも住み良い家に改築いたします。もちろん足場工事も丁寧に適正価格で行っています。
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