近年注目のラジカル塗料とは? ?シリコン塗料との比較や施工業者選びのポイント

LINEで送る
Pocket

ラジカル塗料とはさまざまなメーカーが開発に尽力している塗料のことです。コストパフォーマンスが高く耐久性に優れています。ただし、施工実績は少なく扱っている業者もそれほど多くありません。検討する場合は、業者選びが重要といえるでしょう。

外壁塗装を依頼するとさまざまな塗料を提案されますが、あまりにも種類がたくさんあってよくわからないという方が多いのではないでしょうか。費用だけでなく、機能面や色の選択幅など多くの点に違いがあります。

そこで今回は、近年注目されているラジカル塗料についてご紹介します。よく使われているシリコン塗料との比較や、どのような施工業者を選べばいいのかも合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ラジカル塗料とは

ラジカル塗料とは、塗料メーカーでもとくに注目されている技術を活かした塗料のひとつです。そもそも、太陽の光や雨などが要因となり劣化や変質をしやすい塗料は、耐候性を向上させられるよう常に研究されています。

その中でラジカル制御という技術が生まれ、その技術を用いた塗料がラジカル塗料です。ただし、一般的にラジカル塗料と呼ばれていますが、正しくは「ラジカル制御型の酸化チタンを使用した塗料」です。

ラジカル制御の技術では、今まで褪色しやすかった塗料が改良されているため、こだわりのある塗料店などでの取り扱いが多いといえるでしょう。

 

ラジカルとは?

本来ラジカルとは、いくつかの塗料を混ぜて新しく色を作る際に、太陽の紫外線が当たって発生するエネルギーのことを指します。発生したラジカルは、色が褪せたり手にチョークのような粉がついてしまうチョーキング現象を生じさせたりしてしまう原因となります。

ラジカル塗料は、劣化因子となるラジカルの発生をできる限り抑えてくれるため、長い期間にわたり劣化を防いでくれるといえるでしょう。

ラジカル塗料の成分と仕組み

今までの塗料は、主な成分となる樹脂ごとに分類がされており、それぞれの値段や特徴に違いが出ていました。しかし、ラジカル塗料は樹脂の種類ではなく、今までの塗料に特殊な成分を加えて作ることでラジカル塗料となります。

主に、ラジカルの発生を抑えるために、高耐候酸化チタンと光安定剤の成分が配合されているのが特徴です。高耐候酸化チタンは、ラジカルの発生を抑えやすくするラジカルバリアの効果を持っており、ラジカルの発生を促す酸化チタンの制御も行います。

しかし、必ずしもすべてのラジカルを発生させないわけではありません。酸化チタンは、人気色であるホワイト系やクリーム系の色を作る際に重要な塗料となります。そのため、淡彩色の塗料には酸化チタンが重要です。

仮に、ラジカルが発生した場合でも、光安定剤が捕まえて封じ込める働きをしてくれます。この2つの成分があることで塗料の劣化を抑え、耐久性に優れた塗膜を作っているといえるでしょう。

メリット・デメリット

ラジカル塗料には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。ラジカル塗料を検討している場合は、どちらもしっかりと確認してから選定してみてください。

メリット

多くのメリットがあるラジカル塗料ですが、特に大きなメリットといえば耐久性でしょう。他の塗料と比較してもひときわ耐久性能に優れています。そのほか、コスト面や見た目の美しさなど多くのメリットを持っている塗料のひとつです。

チョーキング現象が起こりにくい

一般的に塗料は、紫外線などが要因で塗膜の性能が落ち、表面にチョークのような粉が出るチョーキングが起きやすいとされています。しかし、ラジカル塗料はチョーキング現象が起こりにくい点がメリットです。

チョーキングが起こりにくいということは、紫外線だけでなく雨風にも強く耐久性が高いといえます。耐久性が高ければ劣化までに時間がかかり、塗料の持ちがよいといえるでしょう。また、ヒビが割れてしまったり水が漏れてしまったりすることも少なくなります。

コストパフォーマンスがよい

ラジカル塗料は高性能でありながらも価格が安い点も特徴的で、コストパフォーマンスの高さもメリットといえるでしょう。今までは、塗料に新しい成分や機能が追加されると価格が上がることが多くありました。

しかし、ラジカル塗料は含まれている樹脂は一般的な塗料と変わりがないため、大きな価格変動はありません。また、耐久性に優れているためメンテナンスの周期が長い点もコストパフォーマンスのよさにつながっているといえるでしょう。

防汚・防カビ・防藻に優れている

ラジカル塗料は、耐久性能や価格が安いだけではありません。材料の表面に水が馴染みやすいよう親水化技術にも優れています。

親水化技術があることで、汚れやカビ、コケを防ぐ効果が高く、劣化の原因となるさまざまな要因を抑えられているのです。そのため、塗装したての美しさや品質を保つための機能性を備えている点も大きなメリットのひとつでしょう。

変色しにくく光沢が美しい

汚れに強いラジカル塗料は、変色がしにくいという特徴もあります。変色がしにくい塗料であれば、塗装した後の美しい光沢も長持ちしやすいといえます。

さらに、光沢のある塗膜によってカビや汚れの付着を防ぎやすく、仮に付着しても取れやすくなる点も特徴です。カビや汚れは、そのまま放置してしまうと見た目の悪さだけでなく劣化を早める原因となります。変色が少なく美しい光沢を保ちやすいのは、見た目だけでなく劣化を防ぐことにもつながるといえるでしょう。

多くの下地と相性がよく作業性も高い

さまざまな下地との相性がよいラジカル塗料は、作業効率も非常に上がりやすい点もメリットのひとつです。塗料自体の伸びがよいので塗りやすく、ムラが出にくい特徴があります。

塗りやすさやムラの出にくさは、仕上がりに大きく左右するだけでなく、簡単に作業できるためどのような外壁でも塗装が可能です。その作業性の高さから、素材を選ぶことなくさまざまな建築物に対応できる塗料といえます。

デメリット

ラジカル塗料は、市場での販売年数がまだ浅く、取り扱いが少ないなどをデメリットも存在します。多くのメリットがあるラジカル塗料ですが、塗装を検討している方はデメリットもぜひ参考にしてみてください。

まだ塗料の選択肢が少ない

ラジカル塗料の選択肢はそれほど多くありません。淡色を中心としたラインナップのため、選択肢に含まれていない色の方が多いでしょう。

温かみのあるホワイトやクリーム系の塗装であればさほど問題はありませんが、さまざまな色から選んで決めたいという方にはデメリットといえます。

濃色は難しい

ラジカル塗料で濃色を作るのは難しい作業のひとつです。なぜなら、主な原料の酸化チタンは、白色顔料を混ぜて新しく色を作り出す際に使用する素材だからです。

アイボリーなどの白色をメインとしたものは作れますが、重厚感やシックな雰囲気を演出できるブラックなどは選択できない可能性が高くなります。

施工データが少ない

2012年に発売 されたラジカル塗料は、全体的にみて施工データが少ない傾向です。その背景には、知名度の低さや耐久年数の実績がまだない点が考えられます。

塗料に迷っている方の中には、ラジカル塗料の性能がいくらよくても、施工実績が少なければ選択肢から外してしまう場合も少なくありません。市場に登場してからそれほど年数は経っていませんが、高性能なラジカル塗料の施工データは今後増えていくでしょう。

業者によっては取り扱いがない

施工データの少なさから、実際に取り扱いがない業者も多くあります。塗料は、シリコンやフッ素の塗料が主流のため、認知度の高さや販売年数が長いものをメインに提供している業者も少なくありません。ラジカル塗料を検討する場合は、業者で取り扱いをしているかどうかの確認が必要です。

一般的なシリコン塗料との違い

一般的な塗料のひとつにシリコン塗料があります。耐用年数や価格などをシリコン塗料と比較してみました。どちらにしようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

耐用年数

ラジカル塗料とシリコン塗料では、耐用年数に大きな差が生じています。

ラジカル塗料 10〜13年
シリコン塗料 7〜10年

ラジカル塗料は、汚れがつきにくく、経年劣化で現れやすいチョーキング現象の発生を抑えやすい点などから耐久性が非常に高いといえます。そのため、人気の高いシリコン塗料と比べるとさらに3年ほど長い耐用年数です。

相場価格

次に、相場価格を比較してみると、ラジカル塗料の価格が高くなっています。

ラジカル塗料 2,200円〜2,800円/(㎡)
シリコン塗料 1,800円〜2,000円/(㎡)

費用だけを見てみるとシリコン塗料の方が安いと感じますが、耐久性能の高いラジカル塗料であれば、メンテナンスの周期も長く取れるためコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。

調色の幅広さ

ラジカル塗料は、白色顔料を調色する際に使用する酸化チタンが主なため、色の幅は広くありません。基本的な色は、淡彩色から中彩色です。濃色を作り出すのは難しく、さまざまな色から選びたいという人にはあまり向いていないといえます。

一方でシリコン塗料は、淡彩色から濃色まで幅広く対応が可能です。たとえば、ベージュ色ひとつにしても明るめや暗め、黄色の強いベージュなど自身の要望にマッチした塗料を見つけやすい特徴があります。

ラジカル塗料がおすすめの人

さまざまな塗料の中でもラジカル塗料がおすすめなのは、次の3つを重点的に考えている方です。それぞれに当てはまる場合は、ぜひラジカル塗料を検討してみてください。

耐久性の高さを重視したい

費用が少し高くなっても、耐久性が高いものを選びたい方にはラジカル塗料がおすすめです。ラジカル塗料は、劣化の症状の1つであるチョーキング現象が起きにくいとされています。

カビや汚れもつきにくく、もしもラジカルが発生しても閉じ込めてしまう酸化チタンが主な原料です。そのため、樹脂などに対してダメージがかかりにくく、塗料の耐久性が高いといえるでしょう。

メンテナンスを楽にしたい

ラジカル塗料には、塗料の伸びがよく塗りやすいという特徴があります。メンテナンスの際にも、スムーズに塗装が進められ楽になるでしょう。

また、優れた親水化技術を持っているため、カビや汚れ、コケを防いでくれます。結果として、品質を保ちやすく頻繁にメンテナンスを行う必要がありません。塗装してから次のメンテナンスまでの期間が長いため、楽にしたいと考えている方にはピッタリです。

美しい光沢や高級感を好む

塗装したての美しい光沢が続くこともラジカル塗料の魅力のひとつです。汚れを防ぐ機能があるため、変色が少なく光沢が長持ちします。

ツヤがある塗料は、美しさだけでなく高級感を感じさせられるため人気があります。長く光沢を保ちたい方や高級感のある雰囲気が好みの方にはラジカル塗料がとくにおすすめです。

最も重要なのは施工業者選び

ラジカル塗料を検討する際に、最も重要なのが施工業者選びです。発売してからまだ10年ほどのため、ラジカル塗料を扱っていない業者も少なくありません。また、塗装の実績が少ないこともあり、今まで一度もラジカル塗料を使用したことがないケースもあるでしょう。

高い性能を持つ塗料ですが、知識や技術を持っていなければ性能を最大限に引き出すことは難しくなります。そのため、施工業者はしっかりと選ばなければなりません。

高い知識と技術を持っているか確認する

施工業者が、ラジカル塗料に関する知識や技術を持っているかを確認しましょう。耐久性の高い塗料ですが、まだ歴史が浅く実績も少ないのが現状で経験豊富な業者を選ぶ必要があります。

たくさん実績があるわけではないラジカル塗料なので、高い知識がなければ性能をうまく引き出せない可能性があるでしょう。また、知識だけでなく塗装の経験が豊富で、高い技術を持った施工業者を選択してください。とくにラジカル塗料の施工が多い業者であればさらに安心できます。

納得いくまで相談してみる

ラジカル塗料は、多くの外壁に対応可能ですが、プロからみると適切ではないと判断されるケースも少なくありません。土地の気候などを考慮するとほかの塗料をすすめられることもあるでしょう。

意見交換をしっかりしながら、納得いくまで相談できるような施工業者を選ぶようにしてください。こちらの要望に耳を傾け、提案やアドバイスをしてくれる業者であれば安心して任せられます。また、その都度きちんと見積もりも踏まえた話し合いができる業者を選ぶことが重要です。

近年注目のラジカル塗料について解説しましたが、こちらでは屋根塗装の相場価格について、費用を左右する要素や検討すべきタイミングも含めて解説します。

あわせて屋根塗装の相場価格はどれくらい?費用を左右する要素や検討すべきタイミングをご覧ください。

まとめ

ラジカル塗料は、カビや汚れがつきにくく、塗装したての美しさを保ちやすいなど多くのメリットがある塗料です。高い耐久性を持っており、非常に優れた機能面を持っています。
ただし、発売してからまだ日が浅く知名度もあまり高くないのが現状です。そのため、施工実績が少ない塗料といえるでしょう。ラジカル塗料を検討する際は、高い知識と塗装実績のある業者を選ぶ必要があります。
株式会社アイテックは、神奈川県を基盤とした地域密着型を強みとしている会社です。お客様のご要望をしっかりと受け止めて、一緒に作りあげていくプロセスを大切にしています。
アフターケアにも力を入れており長期のメンテナンスサポートも行なっています。外壁塗装を検討している方は、お見積もりや点検を無料で行っている株式会社アイテックへ、ぜひ一度お問い合わせください。

 

点検(診断)・御見積は、無料ですので
大切なお家を守るために、早めの点検をお勧めいたします!!

リフォーム専門店のアイテックまでご相談ください!!

 

ご相談・お見積りは無料です。気になる症状を見つけたらお気軽にご連絡ください。

お電話はこちら
TEL 0120-118-006

ご質問はお気軽にどうぞ!
お問合せフォーム

関連記事

LINEで送る
Pocket