戸建て住宅の約8割で採用されているサイディング外壁は「半永久的に使える」と思われがちです。しかし実際には、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
サイディングは紫外線や雨風の影響を受け続けることで、表面の塗膜が徐々に劣化します。
防水性能が低下した状態を放置すると、雨水が浸入し、建物内部まで傷めるおそれがあります。
本記事では、サイディング外壁に塗装が必要な理由をはじめ、劣化のサインや塗り替え時期、費用相場まで詳しく解説します。ご自宅の外壁の状態を思い浮かべながら、ぜひ参考にしてください。
目次
サイディング外壁なら再塗装は必要ない?
サイディング外壁は、セメントと繊維質を主成分とした板状の外壁材です。デザインのバリエーションが豊富で、工場生産により品質が安定しているため、多くの住宅で採用されています。
しかし、主成分がセメントであるため吸水性が高く、表面の塗膜が防水機能を担っています。この塗膜が劣化すると水分を吸収しやすくなり、雨水の吸収と乾燥を繰り返すことで、反りや変形、ひび割れといった深刻な劣化を引き起こします。
さらに、サイディングボード同士の継ぎ目を埋めるシーリング材も経年劣化します。そこから雨水が浸入することで、建物内部の断熱材にカビが発生しやすくなるだけでなく、雨漏りにもつながります。
サイディング外壁の劣化スピードは、建物が置かれた環境によって大きく変わります。
【劣化が早まりやすい環境】
● 比較的海に近い地域
塩害の影響を受けやすく、塩分を含んだ風がサイディングの塗膜を傷めます。
● 幹線道路沿いの住宅
排気ガスによる汚れが付着しやすく、塗膜の劣化を早める原因となります。
また、壁が向いている方角も影響します。
日当たりのよい南面は、紫外線による色あせやチョーキング現象が起こりやすい傾向にあります。反対に、日当たりの悪い北面は湿気がこもりやすいため、苔や藻、カビが発生しやすい環境といえるでしょう。
サイディング外壁の劣化サイン
サイディング外壁の塗り替えが必要かどうかは、外壁に現れる劣化のサインを確認することで判断できます。ここでは、ご自身でチェックできる主な劣化症状を紹介します。
色あせ・チョーキング
新築時と比べて外壁の色が薄くなったり白っぽく見えたりする現象を色あせといいます。紫外線の影響で塗膜が分解され始めたサインです。
さらに進行すると、外壁を手で触れたときに白い粉が手に付着するチョーキング現象(白亜化)が起こります。この状態は塗膜が分解されて顔料が表面に露出しており、防水性能が大きく低下しています。
コーキングのひび割れ
サイディングボード同士の継ぎ目にはシーリング材(コーキング材)が充填されていて、雨水の浸入を防ぐ役割を持ちます。
シーリング材は紫外線や気温変化の影響で次第に劣化し、ひび割れや破断が起こります。ひびが入った部分から雨水が入り込むと、建物内部の断熱材が濡れてカビの原因になります。
外壁が変形して浮く・反っている
サイディングが水分を吸収すると体積が膨張し、乾燥するともとに戻ります。この吸水と乾燥を繰り返すことで、サイディングが反ったり浮いたりします。
変形が進むと、サイディングを固定している釘やビスに過度な力がかかり、隙間が生じます。軽度の反りや浮きであれば塗装で対応できますが、変形が大きい場合は張り替えが必要になることもあります。
外壁のひび割れ
サイディングのひび割れ(クラック)は、水分の吸収と乾燥を繰り返すことで生じる変形や、凍害の影響によって発生します。名刺の厚みほどの0.3mm程度のひび割れでも、雨水が浸入してしまいます。
軽度のひび割れであればパテで補修できますが、範囲が広い場合には張り替えが必要になることもあります。
苔・藻・カビの広がり
外壁に緑色の苔や黒ずんだカビが見られる場合は、塗膜の防水性が低下しているサインです。現在の塗料には防苔・防藻・防カビ剤が含まれていますが、それでもこれらが発生している状態は、塗膜の効果が弱まっている可能性が高いといえます。
とくに樹木が近くにある場所や、日当たりの悪い北面では苔や藻、カビが繁殖しやすくなります。高圧洗浄でしっかりと汚れを落としたうえで、塗装を行うことをおすすめします。
サイディング外壁の塗り替え周期と塗料別の耐用年数
サイディング外壁の塗り替え時期を判断するには、築年数と劣化症状の両方をチェックすることが重要です。
一般的な塗り替え時期は10年が目安
新築から10年ほど経過すると、多くのサイディング外壁で色あせやチョーキング現象が見られるようになります。塗膜が紫外線や雨風の影響で劣化し、防水性能が落ち始めているサインです。
ただし、塗り替えに適した時期は、使用している塗料の種類や建物の立地条件によって変わります。海沿いの地域や幹線道路沿いの住宅では、塩害や排気ガスの影響で劣化が早く進む場合があります。
新築時に高耐久塗料で仕上げられている場合は、10年経過しても艶が残っているケースもあります。それでも、築10年をひとつの目安として専門業者による点検を受け、実際の劣化状況に応じて塗り替えのタイミングを判断することをおすすめします。
塗料別の耐用年数と費用相場
サイディング外壁の塗装に使う塗料は、種類によって耐久性や価格が大きく変わります。予算だけでなく、今後のメンテナンス計画も踏まえて選ぶことが大切です。
ウレタン塗料
耐用年数は6~8年程度とされます。柔軟性が高く密着性にも優れていますが、耐久性は低めのため、比較的短いスパンで塗り替えが必要です。
ラジカル塗料
耐用年数は12~15年程度とされています。塗膜劣化の原因となるラジカルを制御する技術により、シリコン塗料よりも耐久性が高く、コストパフォーマンスを重視する方に適した塗料です。
シリコン塗料
耐用年数は10~13年程度です。外壁塗装で最も使用されている定番の塗料で、価格と耐久性のバランスがよく、初めて塗り替えを行う方でも安心して選べます。
光触媒塗料
耐用年数は15~20年程度です。太陽光と雨の力で汚れを分解し洗い流すセルフクリーニング機能を持っています。価格が高く、日当たりや雨量によって効果が変わりやすいため、採用する際は認定施工店かどうかを確認することが大切です。
フッ素塗料
耐用年数は15~20年程度[16.1]とされています。公共建築物やビルでも採用される高耐候性塗料で、紫外線や雨風に強いことが特徴です。初期費用は高額ですがメンテナンス回数を抑えられるため、長期的に考えるとコストパフォーマンスが高いです。
無機塗料
耐用年数は20~25年程度です。現在流通している塗料の中でもとくに耐久性が高い種類に分類されます。価格は最も高額ですが、塗り替え回数を抑えられるため、長期的にはトータルコストを節約できる可能性があります。
こちらの記事では、外壁塗装の耐用年数について解説しています。
劣化のサインや減価償却の注意点も取り上げているため、ぜひあわせて外壁塗装の耐用年数は?劣化サインと物理/法定の期間・減価償却の注意点をあわせてご覧ください。
サイディング外壁の塗り替え工事の流れ
サイディング外壁の塗装工事は、一般的に次のような手順で進みます。外壁と屋根を同時に塗装する場合の工期は、おおよそ2週間が目安です。
1.契約・打ち合わせ
現地調査と見積もりで劣化状況を確認し、必要な補修内容や使用する塗料を決定します。あわせてカラーシミュレーションで完成後のイメージを確認し、工事日程を調整します。
2. 足場の設置と養生
建物の周囲に足場を組み、塗料や洗浄水が周囲に飛び散らないよう飛散防止用のメッシュシートを張ります。足場の設置には1日程度かかり、組み立て時にはどうしても金属音が発生します。職人の安全を守り、丁寧な作業を行うために欠かせない工程です。
こちらの記事では、足場を組む場合の費用相場について解説しています。
費用が相場よりも高くなる事例や業者の選び方も取り上げているため、ぜひあわせて足場を組む場合の費用相場は?信頼できる業者の選び方を解説をあわせてご覧ください。
3. 高圧洗浄で汚れ・苔を除去
外壁に付着した汚れや苔、古い塗膜を高圧洗浄機で丁寧に洗い流し、新しい塗料がしっかり密着する状態に整えます。洗浄後は外壁を丸1日程度乾燥させてから、次の工程に進みます。
4. 下地処理・コーキング補修
ひび割れや欠損部分はパテで補修し、劣化したシーリング材を撤去して新しいシーリング材に打ち替えます。サイディングの目地部分では2面接着とすることでシーリング材が柔軟に動けるようにし、プライマーを塗布して下地との密着性を高めます。
5. 下塗り・中塗り・上塗り(3度塗り)
下塗りで塗料の密着性を高め、中塗りと上塗りで塗膜の厚みと耐久性を確保します。サイディングボードにはシーラーと呼ばれる下塗り用の塗料を使用します。各工程の間には十分な乾燥時間を設け、塗り残しが出ないよう丁寧に仕上げます。
6. 完成検査・仕上げチェック
塗り残しや塗りムラがないか細部までチェックします。自社管理施工の業者であれば、複数のスタッフで入念に確認します。不備が見つかった場合は、その場で手直しを行います。
7. 足場解体〜引き渡し
検査に合格したら、養生を外して足場を解体します。周辺を清掃したうえで、施工内容の説明を行い、保証書をお渡しします。
サイディング外壁の塗装費用はいくら?
サイディング外壁の塗装費用は、複数の工程と材料費が積み重なって構成されています。各項目の内訳を理解しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
足場費用
1㎡あたりの費用は700~1,000円程度です。30坪の住宅で外壁のみを塗装する場合は15万~20万円が目安です。職人の安全確保と丁寧な作業のために必要な費用です。
高圧洗浄費用
1㎡あたり100~300円程度です。汚れや古い塗膜を除去し、新しい塗料の密着性を高めるための工程です。
養生シート費用
1㎡あたり300~500円程度です。窓やサッシ、玄関ドアなどを保護し、仕上がりを美しく整えるための費用です。
下地補強・処理費用
1㎡あたりの費用は100〜3,000円ほどで、劣化の程度によって大きく変動します。劣化が激しい場合は塗装だけでは対応できず、張り替えやカバー工法が必要になり、費用が大幅に増加します。
下塗り費用
1㎡あたりの費用は400〜1,500円程度です。塗装の密着性を高める重要な工程であり、サイディングの状態に応じて適切な下塗り材を選定します。
仕上げ塗り費用
1㎡あたりの費用はおおよそ2,500〜5,500円です。シリコン塗料の場合は2,500~3,500円、フッ素塗料や無機塗料の場合は4,000~5,500円が相場になります。耐久性の高い塗料ほど初期費用は高くなりますが、塗り替え回数を減らせるため、長期的には負担を抑えやすくなります。
薬品洗浄費用
1㎡あたりの費用は360円程度です。意匠性サイディングをクリア塗装する場合に必要となることがあります。クリア塗装は、築8~10年程度で劣化がまだ軽微な段階に施工することが推奨されます。
クラック・シーリング補修
1mあたりの費用は900〜1,200円程度で[33.1]す。サイディングボードの目地は総延長が長くなるため、全体で10~15万円程度を見込む必要[34.1]があります。シーリング材の品質によって耐久性が大きく変わるため、実績のある材料を選ぶことが重要です。
雨どい補修費用
1mあたりの費用は500~800円程度です。雨どいも外壁と同様に劣化するため、同時にメンテナンスを行うことで建物全体を長持ちさせやすくなります。
諸経費
費用は工事総額の5~15%程度で、現場管理費や廃材処分費などが含まれます。内訳を分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。
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お困りの際にはぜひお問い合わせください。
塗装費用を安くする方法
サイディング外壁の塗装費用は決して安くありませんが、工夫次第でコストを抑えることは可能です。ただし、安さだけを優先すると失敗するリスクがあるため、適正な費用で質の高い工事を行うためのポイントを理解しておくことが大切です。
外壁と屋根を同時に塗装する
外壁と屋根を別々に塗装すると足場代が2回分かかりますが、同時施工にすれば15万~20万円程度の足場代を節約できます。工期もまとめられるため、近隣への配慮や日常生活への影響も最小限に抑えられます。
火災保険・補助金が使えるかチェック
台風や雹などの自然災害でサイディング外壁が破損した場合は、火災保険の風災補償が適用されることがあります。また、自治体によっては外壁塗装工事を対象とした補助金や助成金制度を用意していることもあります。
とくに遮熱塗料やエコ塗料を使用する工事は、省エネリフォームとして補助金の対象になる場合がありますので、お住まいの自治体に制度の有無や条件を確認してみてください。
優良業者を選ぶことで追加費用を防ぐ
悪徳業者や手抜き業者に依頼すると、不透明な見積もりや不必要な追加請求、手抜き工事によって結果的に費用が膨らむおそれがあります。
優良業者を見極めるポイントとしては、自社施工で中間マージンが発生しないこと、見積書に工事内容と金額が明細まで詳しく記載されていること、使用する塗料のメーカー名や商品名が明記されていること、一級塗装技能士などの資格を保有していることが挙げられます。
神奈川県や町田市などで地域密着型の外壁塗装を行う株式会社アイテックでは、自社管理施工により品質の高い外壁塗装を提供しています。
まとめ
サイディング外壁は、定期的に塗装メンテナンスを行うことで建物を長持ちさせ、美観も保てます。色あせやチョーキング、シーリングのひび割れなどの劣化サインが見られた場合は、早めに対応することが重要です。
築10年をひとつの目安として点検を行い、劣化状況に応じて適切なタイミングで塗り替えを検討しましょう。塗料は耐久性や価格を比較し、長期的なメンテナンス計画に合わせて選ぶことが大切です。
株式会社アイテックは、神奈川県を中心に自社管理施工による品質の高い外壁塗装を提供しており、サイディングの張り替えやカバー工法にも対応しています。
また、一級塗装技能士や2級建築施工管理技士、外壁診断士が在籍しており、専門的な知識と技術を活かして、最適な塗装プランをご案内しております。認定施工店としてのアフターサービスも充実しており、長期的なサポートが可能となっています。
サイディング外壁の劣化や防水工事が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。無料点検と無料見積もりを行い、お客様に最適なメンテナンスプランをご提案いたします。
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