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モニエル瓦とは?メリットとデメリット
モニエル瓦とは、セメントと川砂を混ぜて作られた屋根材の一種です。正式名称は「乾式コンクリート瓦」で、別名「乾式洋瓦」とも呼ばれます。 かつては、日本モニエル株式会社(現ラファージュルーフィング株式会社)が販売しており、特徴的なデザインと性能からこの種類の屋根材をさす言葉として定着しました。 しかし、日本市場からの撤退を機に現在は製造が中止されています。ここでは、モニエル瓦のメリットとデメリットについて解説します。
モニエル瓦のメリット
モニエル瓦は表面に特殊なコーティングが施されており、耐久性や耐火性、防水性に優れています。また、断熱性にも優れているため夏場の暑さを軽減できます。さらに、遮音性も高いため、雨音や外部の騒音も気にならず静かな室内環境が実現可能です。 また、デザイン性の高さも魅力です。和風の落ち着いた雰囲気から洋風のスタイリッシュな雰囲気まで、さまざまなデザインやカラーバリエーションが揃っています。そのため、どんな建物にも合わせやすく個性を表現できるのがメリットといえます。
モニエル瓦のデメリット
まず、メンテナンスが大変な点が挙げられます。モニエル瓦の表面にはスラリー層という層があり、劣化すると表面が粉を吹いたようになります。 塗膜が劣化するとモニエル瓦本来の防水性が低下するため、雨水などの排水がうまくいかずコケやカビが発生しやすくなります。長く使用するためには定期的なメンテナンスとともに、塗装の塗り直しなどの補修が必要です。 モニエル瓦は金属屋根に比べて重量があるため、屋根の構造によっては負担となる場合があります。古い家屋では屋根の耐荷重が低くなる可能性があり、耐震性も低いのがデメリットといえます。 また、モニエル瓦はすでに生産が中止されており、交換が必要になった際に同じ種類の瓦を入手できない可能性が高いため注意が必要です。
モニエル瓦の劣化の兆候
モニエル瓦の耐用年数は20〜30年程度 とされ、塗装メンテナンスを定期的に行うと50年程度使用できるともいわれています 。紫外線や風雨によってモニエル瓦の表面を保護している塗膜が少しずつ劣化するため、10〜15年ごとのメンテナンスが一般的です。 放置すると雨漏りや破損の原因にもなるため、劣化の兆候がみられる場合は補修などのメンテナンスを行うことが重要です。以下では、モニエル瓦における主な劣化の兆候を紹介します。
ヒビ割れ
耐久性に優れたモニエル瓦も、経年劣化や紫外線、衝撃などによってヒビ割れにつながります。塗膜が劣化することで防水機能が低下し、内部に水が浸入することで発生します。 水が浸入すると瓦が膨張と収縮を繰り返し、ヒビ割れが拡大することで周囲の瓦にも悪影響を及ぼします。 ヒビ割れを放置すると雨漏りの原因になり、瓦自体が破損し交換が必要になるケースも考えられます。軽度なヒビ割れであれば、パテや防水テープを用いた簡易的な補修で対応できる場合もありますが、大きなヒビ割れの場合は瓦自体を交換しなければなりません。 前述のとおり、モニエル瓦は製造されていないため交換用の瓦を入手しづらく、屋根全体の葺き替えが必要になる可能性もあります。
瓦のズレ
地震や台風などの自然災害によってモニエル瓦がズレたり、瓦を固定している漆喰がはがれたりする場合があります。このような状態を放置すると、雨水が屋根裏に侵入し、雨漏りや建物の構造材が傷む原因となってしまいます。 瓦の漆喰がはがれている場合は、新しい漆喰で補修する必要があります。瓦がわずかにずれているズレている場合は、専門業者に依頼して瓦を固定し直してもらうことで雨漏りを防ぐことが可能です。 しかし、瓦全体が割れている、多数の瓦がズレているといったケースでは屋根全体の葺き替えを検討する必要があります。
塗膜の剥離
モニエル瓦の塗膜がはがれたり膨らんだりといった症状が出るのは、紫外線や雨風による劣化と、温度変化による膜の収縮が原因です。 塗膜は瓦を保護する大切な役目を持っていますが、一度はがれてしまうと瓦自体が雨水に直接さらされてしまい、風化が進む要因となります。 そのまま放置すると劣化が進行し、ヒビ割れや雨漏りの原因となり、建物自体の寿命を縮めることにもなりかねません。そのため、塗膜のはがれや膨らみは早急に塗装し直すことが大切です。
チョーキング
チョーキングとは、屋根を触ると白い粉が付着する現象のことをいいます。チョーキング現象は塗膜の劣化が原因で起こります。 紫外線や風雨に長時間さらされることで、塗膜を保護していた樹脂が少しずつ分解されます。その結果、塗料の色素成分である顔料が表面に出てくることで粉状になります。 重度のチョーキング現象が起こっているときは、被膜の保護機能がほぼ失われている可能性があります。手が真っ白になるほど粉が付着する場合は、雨漏りや外壁の劣化につながる可能性があるため、早めの塗装を検討するといいでしょう。
モニエル瓦のメンテナンス方法と費用の目安
モニエル瓦のメンテナンスには、主に塗装と葺き替えの2つの方法があり、どちらを選ぶかは瓦の劣化状況によって異なります。 少しのヒビ割れなどの表面的な劣化は塗装で十分な場合が多く、瓦の破損が大きい場合は葺き替えがおすすめです。以下では、それぞれのメンテナンス方法と相場費用について解説します。
塗装する場合
モニエル瓦の塗装は一般的な屋根塗装とは異なり、スラリー層をきちんと取り除く下処理が必要です。スラリー層を高圧洗浄で完全に除去する作業を怠ると、新しい塗料がはがれてしまう原因になります。 作業工程は一般的な屋根と同じで、高圧洗浄→下地処理→下塗り→上塗りという順序で塗装します。 施工不良を防ぐには、モニエル瓦に適した塗料を使用することが大切です。 塗装費用は、塗料の種類や屋根の形状によって異なります。シリコン塗料では1㎡で2,500円〜3,100円ほど、高耐久なフッ素塗料では1㎡で3,800円~4,800円ほどが目安です。
葺き替えする場合
モニエル瓦の破損が大きい場合や下地の状態が悪化している場合は、葺き替え工事が必要になります。葺き替え工事は、古い瓦をすべて取り除き、屋根の構造部分を補修してから新しい屋根材に交換します。 葺き替え工事のメリットは、屋根全体を新しくできることによって雨漏りの根本的な原因を解消できる点です。また、重いモニエル瓦からガルバリウム鋼板などの軽量な屋根材に交換することで、建物の耐震性を高められます。 使用する屋根材や屋根の形状により異なりますが、費用相場は1㎡で3,000円〜21,500円ほどになります。 こちらの記事では、ガルバリウム鋼板について解説しています。詳しい特徴や用いる際の注意点も取り上げているため、
ぜひあわせてガルバリウム鋼板とはどんな素材?メリット・デメリットや実際の使用例をご覧ください。
モニエル瓦を適切に扱ってくれる業者の選び方
モニエル瓦は特殊な素材で作られており、一般的な屋根材よりも細心の注意が必要です。万が一、適切な知識や経験のない業者にメンテナンスを依頼してしまうと、追加費用が発生したり、見た目が悪くなったりなどのトラブルにつながる可能性があります。 以下では、モニエル瓦のメンテナンスを依頼する際に必ず確認しておきたい3つのポイントについて解説します。このポイントをしっかりとチェックし、適切な業者を見極める参考にしてください。
モニエル瓦の施工実績
モニエル瓦の施工を依頼する際は、業者の施工実績を必ず確認しましょう。業者のサイトに施工実績が掲載されていない場合は施工実績を見せてもらえるか、直接依頼するといいでしょう。施工実績の件数だけでなく施工写真を見せてもらうことで、より具体的なイメージがつかめます。 また、住んでいる地域の近くにモニエル瓦で施工した住宅がある場合、仕上がりを実際に目にして判断することもできるでしょう。写真や実物を見ることで、安心して施工を依頼できるかの判断材料となります。
見積時の丁寧な点検
モニエル瓦のメンテナンスを依頼する際、見積もり前の点検が非常に大切です。なぜなら、モニエル瓦はほかのセメント瓦と見た目が似ており、専門的な知識がないと正確な判断ができず、適切な見積もりが得られない可能性があるからです。 信頼できる業者は、屋根に上がって高性能なドローンや高所カメラを用いて写真を撮影し、屋根の状態を細かく確認してくれます。細かな調査をすることで、モニエル瓦の種類や劣化状況を正確に把握し、最適な施工方法や屋根材を選定できます。
アフターサービス
モニエル瓦の施工を依頼する際は、契約前にアフターフォローや保証内容を確認しましょう。どんなに優秀な業者であっても、施工中にトラブルが発生してしまう可能性はゼロではありません。また、施工後しばらく経ってから不具合が発生することも考えられます。 万が一、施工不良が起きた場合、再工事が必要になるなどの思わぬ手間や費用が掛かってしまう場合があります。そのため、業者が提供している保証内容をしっかりと把握しておくことが大切です。 保証を受けるための条件や内容、保証期間などの詳細を確認することが重要です。そして、保証内容は必ず書面で作成してもらい保管します。トラブル発生時には保証書が必要となるため忘れずに依頼しましょう。
まとめ
モニエル瓦はメンテナンスを定期的に行うことで長く使用することが可能です。劣化の状態によっては塗装できないケースもあるため、劣化症状を見極めて適切な補修を検討することが大切です。 誤ったメンテナンスや補修によって劣化を速めてしまう可能性もあるため、適切に管理するためには確かな実績と技術のあるリフォーム業者への依頼が重要です。 アイテックでは、神奈川県を基盤として屋根塗装や葺き替え工事を行っています。地域密着型だからこそのきめ細かい対応と豊富な実績で、お客さまに最適なリフォームプランを提供します。 日本住宅保証検査機構(JIO)登録業者として保証もご用意し、長期のメンテナンスやアフターサービスも充実しているため、安心してご依頼いただけます。お見積もりも無料で承っておりますので、ぜひお気軽にアイテックにご相談ください。
点検(診断)・御見積は、無料ですので
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