屋根塗装の相場っていくら？費用の内訳や安く抑えるコツを解説
屋根のメンテナンスを考えているとき、もっとも気になるのは工事にかかる費用ではないでしょうか。しかし、具体的な相場や費用項目の中身を理解していないと、思わぬ出費につながる可能性があります。
そこで、本記事では屋根塗装の相場や費用の内訳をわかりやすく解説します。複数の業者からの見積もり方法や、安く抑えるためのコツもあわせて紹介します。
適切なタイミングでの施工や塗料選び、工夫次第で費用を抑えられる場合がありますので、ぜひ参考にしてください。
目次
屋根塗装の相場は？
屋根塗装の費用は、30坪ほどの一般的な住宅で約40万円から60万円 がひとつの目安です。この金額は足場代や塗料代、人件費などを合計した大まかな相場といえます。
実際の費用は屋根の広さや劣化状況によって、変動する可能性があります。
屋根塗装にかかる費用の内訳
屋根塗装の見積もりを依頼すると、複数の項目が記載された書類を受け取ることになります。よく見られる項目は「塗料代」「足場代」「工事代」「諸経費」の4つです。それぞれの金額や作業内容を理解しておくと、見積もり内容への不安を減らせます。
屋根塗装にかかる費用は、屋根材の種類や施工面積によって差が生じます。さらに、選ぶ塗料のグレードや、下地の劣化状況によっても工事の工程が変わってくる点が特徴です。
塗料代
塗料代は、屋根塗装全体の費用に大きく影響を与えます。塗料の種類によって価格も性能も異なるため、じっくり検討することが大切です。
以下の表 では、代表的な塗料の特徴と一般的な価格帯をまとめています。
塗料の種類
特徴
価格帯（30坪目安）
ウレタン塗料
初期費用が抑えやすい。耐久年数は短めで、約8年～10年
約17万円～22万円
シリコン塗料
耐久性と費用のバランスがよい。人気が高い
約23万円～30万円
フッ素塗料
耐候性が高く、光沢が長持ちしやすい
約38万円～48万円
遮熱塗料
夏場の室温上昇を軽減し、省エネルギー効果が期待できる
約35万円～52万円
ウレタン塗料は費用を抑えたい方に向いていますが、塗り替え周期が短くなるリスクがあります。一方、フッ素塗料や遮熱塗料は高額ですが、長期間にわたって保護効果を得られるのが利点です。
建物の環境や予算、メンテナンスの手間を考慮して選ぶことが重要といえます。
足場代
屋根塗装を行う際には、安全に作業するために足場を組む必要があります。この足場代は、一般的な30坪前後の戸建てで10万円から20万円程度 を見込むとよいでしょう。
足場の設置は高所作業に欠かせない工程です。転落や周囲への危険を防ぎつつ、丁寧な作業をするためにも必要不可欠な費用といえます。
外壁塗装を同時に行う場合は、一度に足場を組めるため、トータルコストを抑えやすくなるケースがあります。
工事代
工事代は、高圧洗浄や下地処理、塗装工程などの作業費や人件費を指します。屋根の状態によっては、劣化箇所の補修やコケ・藻の除去に時間がかかる場合があるため、そのぶん費用がかさむことがあります。
屋根塗装では基本的に、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装が行われます。このような作業の手間や工程数が増えると、工事代が上昇する可能性がある点に注意しましょう。
なお、付帯部分（破風や軒天など）の塗装を同時に行うと、さらに費用が加算される場合があります。
諸経費
諸経費とは、廃材処分費や現場管理費などの雑費に関わる費用です。企業によっては一括で「諸経費」「その他費用」としてまとめるケースが多く見られます。
項目が「一式」表記になっていると、具体的な内訳がわからないまま工事を始めてしまいがちです。見積もり時に疑問点を質問し、費用の内容を明確にすることで、安心して工事を進められます。
屋根塗装の費用が高くなる要因
屋根塗装の費用は、同じ塗料や同じ坪数でも大きく変化することがあります。原因としては、屋根自体の特性や劣化具合、周辺環境などが挙げられます。 また、依頼する業者によって変動するため注意が必要です。
ここでは、主に5つの要因を紹介します。
屋根材の種類
金属屋根やスレート屋根、セメント瓦など、屋根材にはさまざまな種類があります。素材に応じて下地処理や塗装工程が異なるため、工事に要する時間や費用が増える場合があります。
これらの要因が重なると、最終的な施工費用が高くなることも珍しくありません。屋根材に合わせた施工を行うため、作業時間や使用する資材の量が増えるケースもあります。
屋根の面積
屋根面積が大きいほど、塗装に必要な塗料の量や施工にかかる日数が増える傾向があります。そのため人件費や足場の規模も拡大し、見積もり額が上昇します。
大きな屋根は作業エリアが広く、職人の手間も増すため、費用を抑えるには複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。また、現場調査で寸法を正確に測定し、無駄な工数がないか確認することも大切です。費用を抑える有効な手段になります。
屋根の造りが複雑
谷や棟が多い、または段差や片流れの形状をもつ屋根では、ローラーで一気に塗れない箇所が増えます。手作業を要する部分が多いと作業時間が長くなり、人件費が上昇しやすいでしょう。
細部まで丁寧に塗装するには技能をもった職人が必要で、そのぶん費用がかさむ場合があります。見積もりの際には屋根の構造を詳しく確認し、必要となる塗装工程を把握しておくことが重要です。
急勾配の屋根
勾配が急な屋根では、作業中の転落防止や安全確保のために、特別な足場や器具が必要となることがあります。さらに、高所作業車の手配が必要な場合は、機材レンタル費や追加スタッフの人件費が上乗せされやすいでしょう。
施工日数も長期化する傾向があるため、平坦な屋根と比べて総額が高くなる可能性があります。業者に依頼する際には勾配の度合いも考慮しましょう。
屋根の劣化状況
ひび割れや破損がある屋根では、入念な下地補修が必要です。コケや藻が多く付着している場合は、洗浄や除去作業に時間がかかり、施工期間も延びて人件費も上がります。
劣化が進むと、塗装以外に補修や交換が必要になるケースもあります。こうした下準備や工程が増えるほど、作業日数や費用もかさみやすい点にも注意しましょう。早めに点検や補修を行い、劣化を防ぐことが大切です。
屋根の状態は外観だけでは判断しにくいため、専門家の意見を聞くことで、作業範囲や費用の増加を抑えられます。早期対応によってトラブルや雨漏りを防ぎ、住まいの寿命を長く維持しましょう。
屋根塗装の費用を安く抑えるコツ
屋根塗装は大きな出費になることが多いため、できるだけ出費を抑えたいと考える方は少なくありません。そこで、費用を削減するためのポイントをいくつか紹介します。施工品質を損なわずに、うまくコストを抑える工夫をしてみましょう。
相見積もりをとる
複数の業者に見積もりを依頼し、価格や施工内容を比較することは、費用を抑えるうえで効果的です。極端に安すぎる見積もりは、必要な工程を省いている可能性があり、仕上がりにも影響します。
高額な見積もりの業者には価格の理由を尋ね、納得できる内容か確認しましょう。見積もり書の作業工程や使用材料を把握し、不明点は事前に解消すると安心です。追加費用が発生するリスクを減らすには、複数社のプランを比較検討することが重要です。
自社施工の業者を選ぶ
工事を下請け・孫請けに回す業者は、中間マージンが加わりやすいです。自社施工の業者を選ぶことで、見積もり金額に無駄が含まれにくく、適正価格で工事を依頼できる可能性があります。
また、自社施工なら担当者や職人とのコミュニケーションが取りやすく、トラブルを早期に解決できる点もメリットです。施工状況を随時確認しやすいため、安心して任せられます。費用と品質のバランスを重視する方は、自社施工を検討してみましょう。
コストパフォーマンスのよい塗料を選ぶ
塗料にはウレタン、シリコン、フッ素などたくさんの種類があります。高価な塗料は性能が高い反面、初期費用が大きくなる点に注意が必要です。
安価な塗料を選ぶと、塗り替え周期が短くなり、結果的にトータルコストが増える場合もあります。そこで、耐用年数や汚れにくさなどを踏まえ、シリコンやフッ素など中間グレードを検討するとよいでしょう。性能と費用のバランスを見極めることが大切です。
外壁塗装と同時にする
屋根塗装と外壁塗装を同時に依頼すれば、足場の設置費用を一度で済ませられるため、結果的に費用を削減しやすいでしょう。外観の統一感も得られるうえ、工事期間も同時進行で進められます。
ただし、外壁の劣化が軽度であれば無理に同時施工を選ぶ必要はありません。屋根と外壁の状態やメンテナンス周期を総合的に判断し、最適なタイミングを見きわめましょう。費用対効果を高めるひとつの手段といえます。
閑散期に依頼する
塗装工事の閑散期は、主に梅雨や真冬にあたります。春や秋は天候が安定しているうえ、気温も作業に適しているため、依頼が集中しがちです。
一方で梅雨や真冬の時期は依頼が減り、業者の日程に空きが出やすいです。そのため費用面での交渉がしやすく、予約も取りやすい特徴があります。
ただし、雨天や寒さの影響で作業が延期される可能性もあるため、工期に余裕を持つことが大切です。大幅な費用軽減を狙うならば、業者に閑散期のスケジュールを確認し、複数のプランを比較してみることもおすすめです。
閑散期は料金交渉で有利になり、スケジュールも組みやすいという大きな利点があります。最適な時期を選ぶことで、より費用を抑えやすくなるでしょう。
補助金やローンを活用する
自治体によっては、リフォームや省エネルギー対策として屋根塗装への補助金を用意している場合があります。条件を満たすと工事費の一部が助成されるため、大幅な費用削減が期待できるでしょう。
また、一度にまとまった支払いが難しいなら、ローンを利用する方法もあります。低金利のプランやリフォーム専用ローンなどを活用し、無理のない返済計画を立てることが重要です。経済的負担を軽減しつつ、必要な工事を進められます。
屋根塗装をするタイミング
屋根塗装を検討するタイミングは、前回の塗装から約10年 ごろが目安です。ただし、屋根材や塗料の種類、気候条件で適切な時期は変わります。色あせやチョーキングがあれば専門家への相談がおすすめです。
なお、屋根の傾斜や劣化状況によっては、より早い時期にメンテナンスが必要となる場合もあるため、定期的に点検することが大切になります。ひび割れやサビなどの症状を放置すると、雨漏りのダメージにつながるリスクもあるため早めのケアが不可欠です。
屋根塗装をするメリット
屋根塗装は一度行うだけで、建物の外観や機能面に多くの恩恵をもたらします。費用面が不安でも、定期的に手入れしないと老朽化が進むため大きな修繕費がかかる場合があります。
ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。適切な塗装を行えば、雨漏りを防ぐ防水性や屋根の見栄えを維持する美観効果など、長期的に家を守るメリットを得られます。
定期的なメンテナンスの積み重ねが、建物の寿命を延ばし費用負担を軽減するうえでも欠かせません。屋根塗装は、見た目だけでなく機能面でも多くの恩恵をもたらします。
屋根の外観がキレイになる
屋根は直射日光や雨風にさらされやすく、色あせやコケが目立ちやすい部分です。塗装を施すと建物全体の印象が明るくなり、美観が向上します。
新鮮な色合いが加われば住まいへの愛着も深まるでしょう。塗膜が剥がれた状態を放置すると、屋根の経年劣化が進み、美観だけでなく耐久性も失われがちです。
早めの塗装で小さな傷や汚れを補修し、清潔感と保護効果を同時に高めることが可能になり、好印象も与えられます。屋根の色彩が維持され、住まい全体の価値向上にもつながるでしょう。
防水性があがる
屋根は日々の雨風や紫外線にさらされ、塗膜が劣化すると雨水が浸透しやすくなります。放置すれば雨漏りや下地の腐食が進み、建物内部の被害が広がるおそれがあります。
塗膜を新しくすれば屋根全体の防水機能が高まり、大規模な補修工事を回避しやすくなるでしょう。適切な下地処理や複数回の重ね塗りで性能を高めると、屋根材を長期間保護できます。
定期的なメンテナンスを行うほど耐用年数が延び、快適な住環境を維持できるのも大きなメリットです。
省エネになる
遮熱塗料を使用すれば、夏場の屋根表面温度が抑えられて室温上昇も穏やかになります。結果的にエアコンの設定温度を抑えられ、電気代の負担軽減や環境負荷の低減にもつながるでしょう。室内が蒸し暑くなりにくいため、夏の生活が快適になる点も大きな魅力です。
さらに、外壁断熱などほかの省エネ対策と組み合わせれば相乗効果が期待できます。屋根から伝わる熱を遮断して冷房効率を高めることで、快適な居住空間を保ちながらコストを削減できる方法です。
株式会社アイテックでは、外壁塗装・屋根塗装に関する相談を受け付けております。外壁塗装・屋根塗装に関する詳しい情報や施工例については、こちらのページをご覧ください。
まとめ
屋根塗装の相場は、30坪で約40万〜60万円 が目安です。塗料選びや施工範囲を把握しておけば、見積もりの妥当性を見極められます。費用を抑えるには、相見積もりや外壁との同時施工、補助金・ローン活用がおすすめです。
定期的なメンテナンスで防水性と美観を維持し、建物の寿命を延ばしましょう。アイテックでは、お問い合わせページから無料相談を受け付けております。住まいの状態をしっかり確認し、最適なプランをご提案いたしますので、ぜひ一度お問い合わせください。
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